中国、春節の国内観光消費がコロナ禍前を上回る

中国政府は18日、2月10日の春節(旧暦の正月)に伴う大型連休の国内観光収入に関するデータを公表した。観光客による消費額は新型コロナウイルス流行前の水準を上回った。

国内の観光収入は6327億元(約13兆2000億円)に達し、昨年の春節の連休と比べて約47%増加した。

中国では昨年初め、数年間続いたパンデミック対策のロックダウンと規制が解除された。また、例年よりも連休が1日長かったことも、数字を押し上げた。

今月10日から17日までの大型連休中に中国国内を旅行した人の数は述べ4億7400万人で、昨年比で34%以上、コロナ禍前の2019年の水準と比べても19%上回った。

当局はデータの内訳を明らかにしていないが、公式の数字に基づいて算出すると、1回の旅行の平均支出は2019年と比べて約9.5%減少したことになる。

これは「依然として、消費のダウングレード(格下げ)が広くみられている」ことを示唆していると、米金融大手ゴールドマン・サックスのアナリストは指摘している。

中国では春節に家族と再会したり、全国の観光名所を訪れるのが伝統で、何億人もが大移動する。

パンデミック中は主要な祝賀行事は中止され、旅行も禁止された。

連休中の消費額が全体的に急増したことは、多くの課題に直面している世界2位の経済大国にとってはめずらしく朗報となった。

中国政府は不動産市場の危機や輸出の低迷、消費者物価の下落やデフレへの懸念など、深刻な問題に対処している。

一方、18日に発表された公式データでは、昨年の外国企業による中国への投資額が過去30年間で最低だったことが示された。

中国の国家外貨管理局によると、世界の海外直接投資(FDI)は1993年以来の低水準に落ち込んだ。

(英語記事 Lunar New Year: China tourism spending tops pre-Covid level

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