木戸大聖が「高額当選しちゃいました」で主演。山下幸輝、西垣匠、豊田裕大と7億円の当たりくじをめぐってだまし合い

木戸大聖が、フジテレビで3月23日放送される、第35回フジテレビヤングシナリオ大賞「高額当選しちゃいました」(午後3:30、関東ローカル)で主演を務めることが分かった。また、山下幸輝西垣匠豊田裕大が共演。行方不明の宝くじを巡って試される幼なじみたちの友情を、人間味たっぷりに描いていく怒濤(どとう)のワンシチュエーション・エンターテインメントが幕を開ける。

これまで、坂元裕二氏、野島伸司氏、橋部敦子氏、浅野妙子氏、野木亜紀子氏ら多くの人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」は、1987年に創設。テレビドラマで活躍する若手脚本家を募集・育成するためのシナリオ公募で、ドラマ・映画制作の現場に携わるフジテレビ関係者メンバーで厳正に審査される。 「第35回フジテレビヤングシナリオ大賞」は、応募総数1679作品の中から、新潟県長岡市出身の24歳・阿部凌大氏による「高額当選しちゃいました」が大賞に選ばれた。

「高額当選しちゃいました」は、幼い頃から同じ児童養護施設で育ち、24歳となった今でもシェアハウスをする新条彰(木戸)、川上潤(山下)、今川優人(西垣)、春日司(豊田)の幼なじみ4人の物語。それぞれが夢を追いつつアルバイトに明け暮れる日々を送りながら、毎年年末になると、宝くじを共同購入していた。するとその年に買った宝くじの1枚が、なんと賞金7億円の1等に当選する。大喜びする4人だったが、一夜明けると当たりくじがこつ然と姿を消し、4人は互いに疑心暗鬼に。宝くじを奪った“犯人”は誰なのか、それが明らかになった時、4人が最後に出す答えとは? 15年以上一緒に育ってきた4人の幼なじみたちが大金を目の当たりにしてどう変わっていくのか、お金か友情か…“究極の選択”を迫られ、“欲望”にのまれそうになった人間の心情がリアルに、そしてテンポよく描かれる。

木戸が演じる主人公・彰は、マジシャンになるという夢を追いかけ、4人の中立的なポジションでリーダーシップを発揮する。優しく真面目な青年として描かれるが、木戸は撮影中以外でも“彰らしく”いい雰囲気づくりに努めて、ほかの3人をまとめていたようだ。

木戸は撮影を終えて「なかなか現実には起こらないけれど、いざ宝くじを買えば誰にでも起きる可能性があるという面では、現実的なストーリーだと思いました。特にあの年齢の若者が実際に当選したら本当にこうなるかもしれない、という面白さがあり、“自分事”のように読めましたし、実際に現場でも役に入り込んで演じることができました」と心境を明かす。

演じる彰については「4人の中でも“リーダー的な存在”であるということを考えた時に、自分がキャスト4人の中で一番年齢が上だということを生かそうと思いました。撮影中以外でも彰らしい振る舞い方ができたら、カメラの前でも自然と“彰”でいられると思ったので、そこも意識していました」 と語り、座長としての思いも口にした。

そして「宝くじを買うと、誰もがその当選結果が出るまで夢を見ると思います。このドラマも“自分が本当に当選したら”という目で見ていただけると、共感できる点があると思いますし、夢を追いかける4人が一攫(いっかく)千金でお金を手にしてしまった時に気付く“本当に大事なもの”が何なのか、そこにも注目していただきたいです!」 とアピールしている。

山下が扮(ふん)する潤は、歌手になる夢を追いかける、ムードメーカーで真っすぐな青年。物語の冒頭で当たりくじがなくなったことに気付くと、序盤から高いテンションで描かれる。自分の気持ちがすぐに態度に出てしまう潤だが、それは普段の山下の性格と“真逆”だとか。

潤役の演じてみて、山下は「テンションが高く、思ったことをすぐに言葉と行動に移すムードメーカーのような存在なので、普段は一度考えてから言葉にするタイプの自分には少し挑戦的でした。怒っているシーンも多くありますが、僕は普段怒ることがないので楽しかったですし、実は“怒り”の演技が好きなので、そこをぜひ見ていただきたいです」と振り返り、「潤は今まで演じてこなかったタイプの役柄なので、僕の新しい一面も見ていただきたいです。ストーリーもシンプルで見やすいですし、 “喜怒哀楽”がすべて詰まった作品なので、何も考えずに純粋に楽しんでいただけると思います」と呼び掛けている。

芸術家になる夢を追う、温厚でおとなしい性格の優人役の西垣は、普段から柔らかい雰囲気で自分のペースで進んでいくそうで、ほかの出演者からも優人役は“ハマり役”だと評された。穏やかな優人のある行動が、思いがけず物語をかき乱すことになる。

西垣は「優人は柔らかい雰囲気ですごく優しい青年だと考えたので、少しふわふわしている、癒やし系を目指して演じました。幅広く活躍されている3人とお芝居できたことがすごくうれしかったです。同年代だからこその熱量がものすごく画面に出ていると思うので、楽しみにしていてほしいです。そして、誰が犯人なのか、誰が何をしているのか、この表情には何か意味があるんじゃないかなど、いろいろ考察しながら見ていただけると、とても楽しめるのではないかなと思います」と、この作品ならではのポイントにも触れた。

さらに、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いの強気な一匹オオカミタイプの春日司役に豊田が抜てき。俳優として成功する夢を諦めかけ、やさぐれかけた司が行方不明の当たりくじにどう関わってくるのか注目だ。

司は今まで演じたことのないタイプのキャラクターだと明かす豊田は、「本当に7億が当たったら実際こういうふうに取り合っちゃうのかな…と、自分に置き換えて考えてしまいまし。読んだ瞬間に単純に楽しめる台本で、近年の受賞作とはテイストが異なり、より会話を重視したハイテンポな内容になっていて、チャレンジングなお話だと思いましたし、 “会話劇”の経験のなかった僕にとってもすごく挑戦になりました」と喜んでいる。

自身が演じた司というキャラクターに関しては「怒るシーンも多くあって、潤に少し似ていると思いました。でも、2人は怒り方が違うんです。潤はすごい熱量で怒りますが、司は割と4人の中では一匹オオカミで、頭がよくて論理立てて説明できる面もあるので、少し引いた怒り方をして、潤と違ったタイプとして物語の中に存在しようと意識しました。また、4人の中で一番威圧的な雰囲気を出せるよう心がけたので、そこにも注目していだきたいです」とアピールしている。

ドラマを手掛ける足立遼太朗プロデューサーは「第1回の坂元裕二さんから始まった歴史あるヤングシナリオ大賞、今回で35作目となりました。大賞の阿部凌大さんの脚本はとても面白くて心躍ったのと同時に、すてきな脚本をプロデュースさせていただけることに大変光栄な思いでいっぱいでした」と語り、あらためて「本作は、幼い頃から同じ児童養護施設で過ごし、現在でもシェアハウスをしている仲のいい4人の物語。ある時一緒に買った宝くじがなんと当選。どんちゃん騒ぎで飲み明かした翌朝、当たりくじがなくなっていて、さあどうする。というストーリー展開です。実はそれぞれに抱える秘密があり、後半でどんでん返しが待っています。“展開”がとにかく面白く、喜怒哀楽がすべて詰まっているジェットコースターのようなドラマです」と作品を紹介。

さらに、若手4人の出演について「どのシーンでも、いろいろな意味での“ハイテンション”な極限状態での芝居が続いていきます。そんな“ハイテンション”に見事に応えていただいた4人の役者陣が本当に素晴らしかったです」と称賛。

続けて「主演を務めていただくのは木戸大聖さん。『僕たちの校内放送』(フジテレビ)で初めてご一緒させていただいたのですが、その時も圧巻のお芝居を見せてくださって、今作の主人公・新条彰を演じる木戸さんも見てみたいと思いオファーさせていただきました。そして山下幸輝さん、西垣匠さん、豊田裕大さんと実力も勢いもあるすてきな皆さんが集まってくださいました。木戸さん演じる彰の求心力、山下さん演じる潤の明るさ、西垣さん演じる優人の困惑した表情、豊田さん演じる司の怒号、この4人でなければこのドラマは成立しませんでした。1時間があっという間だと思います。ワンシチュエーションでの4人のお芝居のぶつかり合いは大変見応えのあるものになっていますので、画面からも伝わってくる熱量をぜひご体感ください!!!」と力を込めている。

なお、TVerとFODでは「高額当選しちゃいました」の放送終了後、2週間無料配信予定。また、放送に先駆けて、過去のヤングシナリオ大賞受賞作品も、TVerとFODで無料配信されることが決定した。

2月29日から、大ヒットした22年10月期ドラマ「silent」の生方美久氏による「踊り場にて」(第33回大賞受賞作品)、野島氏の「時には母のない子のように」(第2回大賞受賞作品)、野木氏の「さよならロビンソンクルーソー」(第22回大賞受賞作品)などが楽しめる。

© 株式会社東京ニュース通信社