板倉キャンパス移転前に最後の報告会、20年間の研究成果を発表 東洋大地域活性化研究所(群馬・板倉町)

研究成果を発表する登壇者

 国内外の地域活性化に関する研究に取り組む東洋大地域活性化研究所(群馬県板倉町、所長・小瀬博之教授)は19日、同大板倉キャンパスを拠点に、対面とオンライン併用で研究活動報告会を開いた。本年度末で東洋大が同キャンパスを移転させることに伴い、同研究所も拠点を移すため、地元での報告会は今回が最後となった。同研究所の研究員と客員研究員の計12人が、本年度の活動報告に加え、同町や館林市など周辺地域で取り組んだ約20年間の研究成果を発表した。

 報告会は2部制で、第1部は6人が本年度の自主研究活動を報告した。第2部は「板倉と周辺地域における研究成果と今後の展望」をテーマに6人が登壇し、2002年の設立以降、同研究所が地元自治体などと連携しながら取り組んできた多様な研究成果を発表した。

 中挾知延子(なかばさみちえこ)研究員は07年度に板倉東小と、フランスの小学校の児童がオンラインで環境問題について議論したプロジェクトを紹介した。当時はオンラインによる国際交流が珍しかったとし「反響は予想以上だった」と振り返った。

 そのほか、町保健センターと協力した中高年女性向けの運動教室や、館林市内で夏の暑さを生かした街歩きのイベントなどに関する報告があった。小瀬所長は「あらゆる地域の活性化を目指しているので、移転したとしても板倉町や館林市などで研究が展開できると思う。今後も地域の方々と交流したい」と話した。

 同研究所は地域課題の解決策を見つけ、地域活性化に貢献することを目的に、同キャンパスに設置。現在は同大の教員で構成する研究員と、客員研究員計34人が所属する。同キャンパスからの移転に伴い、新年度から拠点を白山キャンパス(東京都文京区)に移す。

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