「セクシー田中さん」脚本家の「困惑」公表に「オープンにする必要あったのかな」北村弁護士が見解

北村晴男弁護士が16日、自身のYouTubeチャンネルに動画を掲載し、日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」について、脚本家側の視点で解説した。2023年12月まで放送されていた「セクシー田中さん」については、原作者・芦原妃名子さんが今年1月26日にSNSで、内容が「改変」された脚本を修正するため対応に苦慮していたことを告白。結局最後の9、10話の脚本は芦原さんが自ら手がけたことなどを明かしていた。その後、芦原さんは同29日に訃報が伝えられた。

北村氏は2月14日に「セクシー田中さん」についての動画を公開していた。こちらでは著作者人格権の中に「同一性保持権」があるとし「原作者のOKがなければ一言一句変えられません」と説明。同一性が損なわれた場合には元に戻すことや損害賠償などを求める権利が発生するとし、原作者の立場から問題を解説していた。

16日の動画では逆に制作側・脚本家側の立場から分析した。テレビの出演経験も多く、制作側の心情もある程度理解している北村氏は「脚本家は脚本家で良かれと思って脚本を作っている」と説明。「良かれ」の意味合いについては「『視聴者に分かりやすく、視聴者が興味を持てるような脚本を作るんだ』というプロ意識でもって作ってるはず」と分析。芦原さんから何度も修正の要望が来たことで「だいぶ疲弊した面があったんでしょう」と推測した。

その上で「どんな仕事も自分の思う通りだけではいきませんから、さまざまなストレスがお互いにかかる」と原作者、脚本家の双方に苦しさがあるとした。脚本を担当した相沢友子氏は昨年12月24日のインスタグラムで「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました。」と9、10話について説明していた。

北村氏は相沢氏のコメントを紹介した上で「『オープンにする必要があったのかな』と思わないこともない」と疑問視。9、10話を芦原さんが書く形となったことは「仕事上やむを得ない」とし、「異例のことであっても、これはもう飲み込むしかないことだったのかなっていう風に正直思います」と、相沢氏が思いを公表してしまったことを残念がった。

その後、12月28日の相沢氏のインスタのコメントも紹介し「『ドラマとしておもしろく、楽しく、分かりやすく楽しく、視聴率が上がるように一定のオリジナリティを持って作っていくのが脚本家なんだ』と。脚本家の存在意義、誇り、そういうものを全面に出したインスタグラムになってる」と説明。相沢氏の脚本家としてのスタンスを分析した。

(よろず~ニュース編集部)

© 株式会社神戸新聞社