活気あふれる「ママ工場」 湖南省張家界市

活気あふれる「ママ工場」 湖南省張家界市

冬休み中、「4時半教室」で子どもたちに授業を行うボランティア。(1月25日撮影、長沙=新華社記者/戴斌)

 【新華社長沙2月20日】中国湖南省張家界市武陵源区の乖幺妹(かいようまい)トゥチャ族錦織り拠点では、伝統的な木製織機の上で女性職人がシャトルを走らせ、錦織り製品を次々と織り上げている。

 女性職人たちが働く同拠点を、人々は親しみを込め「ママ工場」と呼んでいる。他の工場とは違い、地域コミュニティーに根差したこの工場では、女性従業員のみが働いており、従業員120人余りのうち、85%以上が周辺の学校に子どもを通わせる母親で、うち約50人は頻繁に子どもを連れて出勤している。

 母親たちが安心して働けるよう、「ママ工場」では「4時半教室」と知的能力開発クラスを開設し、専門のスタッフを招いて子どもの放課後学習をサポートしている。「ママ食堂」も開設し、従業員と子どもに栄養のある食事を提供している。

活気あふれる「ママ工場」 湖南省張家界市

「ママ工場」で遊ぶ子どもたち。(1月25日撮影、長沙=新華社記者/戴斌)

 同拠点の責任者、張甜甜(ちょう・てんてん)さんは「工場は従業員にとって、職場であるとともに、第二の家でもある」と述べ、子どもの面倒を見る人がいることで、従業員は安心して仕事ができ、現在では工場の生産額は2倍になり、従業員の収入も倍増したと説明した。

 張さんはまた「住まいが遠い従業員のため、アパート16室を改装し、エアコン、温水器、子どもの学習机などを設置した」と明らかにした。

 女性職人の龔琴(きょう・きん)さんは「『ママ工場』のフレックスタイム制度は、多くの不安を解消してくれた。子ども2人を持つ母親として、安心して仕事ができ、子どもたちの成長も手助けできる」と話した。

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春節(旧正月)が近づく中、「ママ工場」で錦織りの製作を急ぐ女性職人の梁瓊(りょう・けい)さん。(1月25日撮影、長沙=新華社記者/戴斌)

 龔さんは将来の希望について、「今では、トゥチャ族の錦織りは自分の生活の一部となった。新しい年に、子どもとの時間を大切にしつつ、技術をさらに磨き、錦織りの技術を伝承しながらイノベーションを探求したい」と意欲を語った。

 「ママ工場」ではこのところ、多数の新年用製品を受注している。女性職人たちは子どもと過ごしながら忙しく生産に励んでおり、工場内は活気にあふれている。(記者/戴斌)

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