名古屋のタクシー会社「毎日タクシーグループ」が自己破産した問題を受け、職を失ったドライバーが就職相談会に参加しました。ドライバーからは悲痛な叫び声が聞こえてきました。
男性:
「急に朝、倒産したっていう話で。(連絡が)何もなくて突然」
男性が務めていた会社は、「毎日タクシーグループ」です。名古屋市内を中心にタクシー事業を展開してきました。しかし、資金繰りの悪化から1月30日に自己破産しました。
帝国データバンクによりますと、コロナ禍でタクシー需要が大幅に落ち込み、負債総額は26億円を超えていました。
記者:
「名古屋市東区の毎日タクシーの営業所に来ています。建物の明かりは消え壁にかけられたカレンダーも1月のまま止まっています」
取材していると事業所に1人の男性が。何やら郵便受けを探しています。男性は、ここの事業所で働いていたドライバーで、自分宛ての荷物が来ていないか、見に来ていました。
務めていたドライバー:
「突然ですよ。解雇しますという通知書をもらった。不当(解雇)でしょ。1か月前にやらなきゃ」
一方、毎日タクシーグループで14 年働いていた鈴木さん(仮名)。突然の解雇宣告を受けました。
鈴木さん(仮名):
「(説明が)一言も何もないというのはちょっとどうかなとは思う。言っても仕方ないと思って」
鈴木さんが20日参加したのは、職を失ったドライバー向けの就職相談会です。
担当者:
「20代から乗り始めた?」
鈴木さん(仮名):
「23から」
担当者:
「配車アプリも大丈夫?」
鈴木さん(仮名):
「全然(大丈夫)」
この日、2社の説明を受けた鈴木さん。良い話は聞けたのでしょうか。
鈴木さん(仮名):
「勤務日数とか勤務時間とか担当の人から聞けたので良かったかなと。1日2日考えて決めようかなと」
コロナ禍でタクシー業界の風向きは変わりました。全国のタクシーの利用状況を見てみると、コロナが流行した2019年度に利用者が激減しています。
街の人:
「乗ってないですね、1年くらい。コロナの影響もあるし」
「タクシー、仕事で今は使わないです。ちょっともったいないから」
「自家用車があるので。使うとすれば?あんまりないかもしれない」
街中を流れるタクシーにも空車が目立ちます。タクシードライバーは。
タクシードライバー:
「流しても(客が)いないですね。アプリか無線でないと。きょうはダメですね。アプリが1回しか鳴りません。そりゃ稼げないですね。もうタクシーじゃやっていけないですよ。タクシー運転手では」