「水の泡」「納得できない」などの声 五條市の広域防災拠点 地元説明会

山下知事が事業の見直しで大規模太陽光発電施設=メガソーラーの整備などを決めた五條市の広域防災拠点をめぐり、地元住民に向けた説明会が19日夜行われました。

五條市の広域防災拠点の用地をめぐっては、当初2000メートル級の滑走路の整備などが計画されていましたが、1月24日の会見で山下知事は用地の25ヘクタール以上を使ったメガソーラーや、防災ヘリポート、備蓄倉庫を整備する方針を示しました。

19日五條市内で開かれた地元住民に向けた説明会には200人以上が集まり、計画の概要の説明や質疑応答が行われました。

計画の大幅な変更について地元住民からは「もっと五條に足を運んで住民に説明するべき」「元地権者の思いを聞いてほしい」などと反対する声が上がりました。

地元住民はー

「もともと3年も4年もかけて詰めてきた話が水の泡なんですよ。まったく違う話を持ってこられても地元が納得するわけないです。」

山下知事

「2000メートル級の滑走路をつくるという、前知事の発想自体が誤っていたと私は考えておりまして、大規模防災拠点の計画は撤回をする・見直すと明確に公約を掲げてまして、当選させていただきました。

私にはその公約を守るべき義務がございます。」

地元住民はー

「知事がかわろうと知事の部下である県職員の担当課長はかわっていないと思います。(県と地元が)やってきたことが信じられないようなことになっているんです。」

山下知事

「知事の交代によってある程度県の方針が変わる可能性があるということは、そもそも民主主義という制度に内在している問題である。」

説明会の後、山下知事は報道陣に対し見直し後の計画を「変更するつもりはない」としたうえで、次のように話しました。

山下知事

「あくまでこの事業は防災目的であるし、大規模太陽光発電施設にも何ら災害時の事故といった懸念はない。

公共事業をやるにあたってまったく反対がないというはあまりございませんので、その意味で反対があってもこの事業は進めることになると思っています」

なお広域防災拠点をめぐっては、2月13日に県議会の総合防災対策特別委員会が地元への丁寧な説明を求める提言書を知事に提出しているほか、15日には地元・阪合部など自治会の代表らが、当初の計画通り整備するよう求める要望書を県議会議長に提出しています。

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