Juju担当の“ジェネレーションギャップ”/コーナー名、通じず/トゲトゲしてる?etc.【SFメディアデー・ダイジェスト】

 2月20日、開幕前唯一の公式合同テスト開始を翌日に控えた三重県の鈴鹿サーキットでは、スーパーフォーミュラ初の試みとなる『メディアデー』が行われた。

 これは、参戦するドライバーやチームスタッフが公式ホームページ等に使用される顔写真の撮影や各種動画メディアのインタビュー等に応対するというもの。昨年のランキング逆順を基本に決められたスケジュールに沿って、入れ替わり立ち替わりチームが撮影・取材場所にやってきてメディア対応を行うという方式が採られた。

 囲み取材はチームごとに、ドライバー、監督、エンジニアが出席し、約30分ずつ、メディアの質問に答えるというもの。

 一部のエンジニアらは別カテゴリーのテスト等のため今日のセッションを欠席したほか、走行初日となる21日の朝に囲み取材が予定されている陣営も3チームあるが、ここでは20日の囲み取材に登場した9チームのなかから、注目の発言をいくつか抜粋してお届けする。

 なお、この取材セッションをもとにした各チームの開幕前プレビュー企画は、後日オートスポーツwebにて掲載の予定。ここではあえて、“脱線トーク”を中心にお届けすることをご承知置きいただきたい。

■物怖じしないJuju

 午前中のスタートながら、この日一番多くのメディアが集まったのは、Jujuの参戦で注目度急上昇中のTGM Grand Prix。今季Jujuの53号車を担当する平野亮エンジニアは44歳、Jujuは先日18歳を迎えたばかりということで、“ジェネレーションギャップ”が話題に。

「親子に近いくらいの(歳の差の)ドライバーということで、いままではベテランのドライバーと組んだりしてきてざっくばらんに話をしてきましたが、Juju選手に対してもぼくの持ち前の明るさで、いろいろなことを話し合いながら、ふたりでどんどん成績を上げていけたら」と平野エンジニア。

 一方のJujuは、これまでもレース業界では「自分より年下とか、同年代の方と話す方が少ないので、そこに対しては違和感はありません」という。

「ただ、たまに平野さんが“たとえ”として芸能人の名前とか歌の名前を出されても分からないという部分では、ジェネレーションギャップを感じることはあります(笑)」

 一方で平野エンジニアは、セットアップを進めていくためにはJujuからのフィードバックを引き出すことが重要であり、「ジェネレーションギャップを乗り越えて、お互いの言葉でクルマの状況を伝えられたら」と語り、さらにJujuの人柄について聞かれると「12月のテストで我々のチームに来て、物怖じせずにいろいろなことを言ってくれる。そこはすごいな、と思いました」と口にした。

「やっぱりこの世界で生きていく上では、自分の意見をしっかり伝えるのが大事。そこで“18歳の女の子”という意識は、なくなりました。しっかりプロのレーサーとして、お互いの立場を作っていけるのではないかと思いました」

■にゃんこ大戦争、やってる?

 PONOS NAKAJIMA RACINGの取材セッションでは、昨年スーパーGTで負った怪我から復帰する山本尚貴が、現在の身体の状態について「さまざまなサポートのおかげで、身体のコンディションとしてはだいぶ戻りつつある」と説明したうえで、「GT500には何度か乗っていますが、スーパーフォーミュラではラップタイムも速く身体への負担も大きくなるので正直不安もあるのですが、自分の身体も確認しながら」テストに臨みたいと語った。

 身体への影響等の詳細については「テストが終わったら、また話せれば」ということで、現状レーシングカーに乗るという部分については、大きな心配はないようだ。

 チームは新たに『にゃんこ大戦争』などのスマートフォン向けオリジナルゲームを開発するPONOSをタイトルスポンサーに迎え、マシンやレーシングスーツにもオレンジの配色がなされている。

 同社からのサポートについて伊沢拓也監督は「非常に心強い」としつつ、「まだ『にゃんこ大戦争』やっていないので、そろそろ始めようかと思います」と発言すると、山本は「監督がまだやられていないということが結構驚きなんですけど。ぼくはPONOSさんに応援していただけると分かった瞬間にアプリをダウンロードしまして」と反応。その場でスマートフォンを取り出して、伊沢監督に概要を説明する一幕もあった。

山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)と伊沢拓也監督

■トゲトゲしている阪口晴南

 この日、チームからの体制発表があったVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGでは、新たに38号車のエンジニアとして加入する渡邊信太郎氏が、担当する阪口晴南の印象を問われた。

「このカテゴリーではない、別なとある開発の場面で、走って・コメントを聞いたりという場所にはいたので、どういうドライバーかは知っているのですが、第三者からいろいろと話を聞く感じでは、SFではもうちょっとトゲトゲとしたような感じのようなので……明日の走行後、仲悪くなってなきゃいいなという感じです(笑)」と渡邊エンジニア。

 これに対し、「誰がそんなこと言ってるんですか。トゲトゲ、してます?」と横にいた立川祐路監督に確認を求める阪口。立川監督もこれを否定しなかったことで、「情報源は監督でしたね(笑)」と阪口も自らのイメージについて認めざるを得ない状況に立たされていた。

阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と渡邊信太郎エンジニア

■「ジェットコースターってどこですか?」

 岩佐歩夢が加入するTEAM MUGENのセッションでは、「オートポリス、SUGOは1周もしたことがない」と、岩佐にとって経験の少ない日本のサーキットが話題に上がった。

「シミュレーターでは全コース走っていて、全コース楽しいのは分かっている」という岩佐だが、実走経験の無さは『コーナーの呼称』の面にも現れていた。

 この2コースでの『実車で一番シビれるところ』を聞かれた野尻智紀は、「やっぱりジェットコースターでボトミングした時が怖い。ウチのチームは車高下げる傾向にあるので、やめてくれって言ってるのに下げられないよう、(岩佐には)気をつけてもらいたいですね」と回答したが、岩佐からは間髪を入れず「ジェットコースターってどこですか?」との質問が。

 担当する小池智彦エンジニアから、オートポリスの第2ヘアピン後の下りのストレート先の高速右コーナーを指すことを耳打ちされた岩佐は「そこは、どこ走っても一緒なんですか?」と野尻に質問。

「どこ走っても、なるんですよ。それが良くない。『よーし、予選一発!』といざプッシュし出すと(底を)打ち始めるんで」と説明する野尻に対し、小池エンジニアからは「それは野尻さんが、フリー走行を本気で走ってないからですよ。予選になると人が変わるんで」とツッコミが。

 これには野尻も「あ、ぼくのせいでした。チーム批判、すみませんでした」と素直に陳謝し、笑いをとっていた。

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 野尻智紀と岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

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 サーキットではマシンの搬入、ピットの設営が行われ、夕方には実戦を見据えてタイヤ交換練習等を行うチームも見られた。21日からのテストは雨絡みの天候となることも予想されているが、昨シーズン導入された新型レインタイヤでの初の本格走行となることから、雨となった場合でも積極的にマイレージを稼ぐつもりの陣営は多そうだ。

 21日は、10時45分から2時間、14時45分から2時間という2セッションが予定されている。

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 三宅淳詞(ThreeBond Racing)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト メディア囲み取材の様子
公式素材撮影の様子  TEAM MUGEN小池智彦エンジニア
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 大嶋和也(docomo business ROOKIE)
カラーリングが変更されたKids com Team KCMG
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト メディア囲み取材の様子

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