「期待あります」石狩市が“ロープウエー構想”札幌と結ぶ新たな交通モードとして石狩湾新港起点に"3ルート"を検討 北海道

北海道石狩市は札幌と結ぶ新たな交通手段としてロープウエーの計画を検討し始めています。一体どのような構想なのでしょうか?2021年から運行を始めた横浜市のロープウエー。この何倍もの規模のロープウエーの計画が北海道で浮上しました。札幌に隣接する石狩市。企業誘致が進んでいる石狩湾新港の工業団地では現在2万人以上の人が働いています。市外から働きに来る人が増えている一方で多くの市民が札幌に通勤・通学しています。しかし、石狩市の公共交通は路線バスとタクシーのみ。札幌とのアクセスが長年の課題です。

石狩市の公共交通は路線バスとタクシーのみ

「こちら石狩湾新港です。こちらの工業団地を起点に札幌とを結ぶロープウエー構想が持ち上がっています」(池田大地記者)石狩市が打ち出したロープウエー構想です。石狩湾新港を起点に札幌と結ぶ3つのルートを検討していて、1つ目はJR手稲駅まで、2つ目は地下鉄南北線の麻生駅まで、3つめは地下鉄東豊線の栄町駅と丘珠空港までを結ぶ路線です。

3つのルートを検討

「人が乗り降りする機能のほかに、商業や地域のコミュニティー拠点機能など、駅舎を活用したルートを開発していければ」(石狩市企業連携推進課 加藤純課長)ロープウエーは石狩市の中心地や住宅地を経由し、1キロから2キロごとに駅を設けることを想定しています。ロープウエー構想について石狩市民は…。「バスが止まったりするので、他の交通手段があったら便利」(石狩市民)「期待あります。バスは雪道がひどくて来ない時もある。時間通りに来るのはありがたい」(石狩市の高校生)石狩市は毎年雪による交通障害などが市民生活に大きな影響を与えているため、30年以上前から地下鉄延伸やモノレール、鉄道などで札幌と結ぶ計画を検討してきましたが、巨額な建設費を前に断念せざるを得ませんでした。「その当時から技術も大きく進歩。安価なコストで建設できる可能性がある。新しい交通モードがいくつか出てきたので、候補としてロープウエーを選択した」(石狩市企業連携推進課 加藤課長)これは神奈川県のメーカーが研究開発を続けているロープウエーです。

現在研究されているロープウエー

上空を運行するロープウエーはモノレールや鉄道と比べて半額以下で建設できる可能性もあるということです。バスやタクシーの運転手不足の中、自動運転ができるロープウエーは持続可能な交通網としても期待されます。一方で、石狩市は洋上風力発電が盛んな「風の強いマチ」。安全面を不安視する声も聞かれました。「構想としては面白い。暴風雪とかで運休とか多いんじゃないかな」(札幌市民)「風が強くホワイトアウトもよくなる。本当に実現するのかな」(石狩市民)「通常はロープ1本だが2本のロープで走らせる新しい技術を研究。風の影響を受けにくい、新しい交通モードとして運行可能か検討している」(石狩市企業連携推進課 加藤課長)石狩市はロープウエーの採算性や運営方法について現在企業から意見や提案を募っていて、2月中にもその結果を公表する予定です。

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