松本幸四郎さん「楽しい時間を」 東京でこんぴら歌舞伎制作発表

制作発表会見でこんぴら歌舞伎をPRする(左から)中村鴈治郎さん、松本幸四郎さん、中村雀右衛門さん

 4月5~21日に香川県琴平町の芝居小屋・旧金毘羅大芝居(金丸座、国重要文化財)で行われる「第37回四国こんぴら歌舞伎大芝居」(山陽新聞社など後援)の制作発表会見が20日、東京都内で行われた。新型コロナウイルスの影響で5年ぶりとなる開催に向け、松本幸四郎さんら出演者は「新たな始まりとなる公演。楽しい時間を過ごしていただきたい」と抱負を語った。

 10年ぶり5回目の出演となる松本さんは、武士のあだ討ちに巻き込まれた庶民の悲劇と人情を描いた「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく) 沼津」で、父・白鸚さんがかつて演じた呉服屋十兵衛に挑戦する。「父と同じ景色を見て同じ役ができ、これだけ特別な芝居はない。何を感じるのか楽しみであり緊張もする」と述べた。

 会見には、長唄の舞踊「教草吉原雀(おしえぐさよしわらすずめ)」などに出演する中村雀右衛門さんと中村鴈治郎さんも出席。雀右衛門さんは「金丸座は(衣装の)裾が客の肩に当たるくらい客席との距離が近い。地元の人も温かく迎えてくれる」と期待し、鴈治郎さんも「一人でも多くの人に来てもらい、琴平のまちとともに公演も盛り上がれば何より」と話した。

 金丸座は1835年の建築で現存する芝居小屋では国内最古とされる。こんぴら歌舞伎は1985年から行われてきたが、コロナ禍により2020年以降、開催が見送られていた。

 公演は午前、午後の2部制で行われる。問い合わせは大芝居事務局(0877―75―6714)。

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