先代か、時計台の中から別の時計 岡山・表町商店街南部で撤去開始

時計台の中から見つかった「先代」とみられる時計

 にぎわい創出に向けた岡山市表町商店街南部のイベントスペース整備事業で、20日に撤去が始まった時計台の中から別の古い時計が見つかった。およそ半世紀前に取り付けられた「先代」とみられ、商店街の店主らから懐かしむ声が上がっている。

 時計台を管理する岡山表町南部商店街振興組合などによると、見つかった時計はアナログ表示の正方形(縦横約0.7メートル)で、白の文字盤。下部に時計メーカー「CITIZEN」の表記がある。ほこりをかぶって表面が曇るなど年季を感じさせる。

 1960年ごろに土台部分と一緒に設置されたとみられ、商店街アーケードの改修(99年)に伴い円形の現行に変更されるまで時計台の顔だったという。「必要な外部電源が確保できなくなったため、電池式に変更したと記憶している」と振興組合。

 撤去作業を見守っていた文具店経営者(71)は、円形の時計になった頃を覚えているといい「近所の人たちと『体育館の時計みたい』と言い合った。今見ると、四角い時計は貫禄があって良い」と話した。

 円形の時計はまだ使えることから活用方法を考える。22日から床タイルの貼り替えやアーケード改修に着手。イベントスペースは3月末に完成する。

20日に撤去が始まった岡山市表町商店街南部の時計台

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