文科相の不信任決議案、否決も「信任」評価聞こえず…更迭の山際氏は苦笑い

盛山文科相の不信任案について賛成票を投じる(手前右から)笠浩史氏、青柳陽一郎氏、後藤祐一氏=20日、衆院本会議場

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を問題視し、立憲民主党が提出した盛山正仁文部科学相の不信任決議案が20日、衆院本会議で否決された。だが与党から「信任」との評価は聞かれず、22日から始まる教団解散を問う「審問」に影を落としそうな気配だ。一方、日本維新の会が反対に回ったことで、政権を追及する野党の足並みの乱れも指摘される。
 
 自民党議員の多くは記者団の問いかけに口数少なく、足早に衆院本会議場へと向かった。旧統一教会との関係で経済再生相を更迭された自民の山際大志郎氏(神奈川18区)は「自身への対応と重ねておかしいとは思わないか」と問われ、「どうなんでしょうね」と苦笑いでかわした。不信任案の提案説明では立民の菊田真紀子氏がこの件を引き「山際大臣を辞めさせて盛山大臣は守る。ダブルスタンダードも甚だしい」と岸田文雄首相を批判。採決では山際氏は硬い表情のまま反対票の「青票」を投じた。

 与党のパートナーである公明党の院内控室は重苦しい雰囲気に包まれた。古屋範子氏(比例南関東)は神奈川新聞社の取材に「人事は総理の意向だから…」と説明。その上で「文科相を信任するのか」との問いかけに対し、「信任」とは言わず「不信任を否決する」と言い換えた。本会議場で自民の井出庸生氏が反対討論を終えても公明議員から拍手は上がらなかった。

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