ランの絵画で中日友好に「彩」添える 水墨画家・劉小愛氏

ランの絵画で中日友好に「彩」添える 水墨画家・劉小愛氏

劉小愛氏の作品「向往」。(1月31日撮影、北京=新華社配信/劉智勇)

 【新華社北京2月20日】日の出の頃。はかなげなランが暖かい日差しを浴び、川面は赤く染まっている。中国絵画の巨匠、董寿平(とう・じゅへい、1904~97年)が得意とした水墨画のラン「墨蘭」の技法を受け継ぐ劉小愛(りゅう・しょうあい)氏の最新作品「向往」である。中国の全国書画芸術委員会副主席も務める劉氏はこの絵に中日友好への願いをこめたという。

 同作品の制作に取り掛かる前、劉氏は東京都文京区にある日中友好会館美術館で開かれた展覧会「経典を再現、共に和平を築く-中国書画芸術精品展」に出展し、日本の各界から高く評価された。自然の奥深くに入って写生することにこだわってきた劉氏は会期中、隅田川沿いの公園を散策した。両国の歴史文化の相似性を肌で感じもした。

ランの絵画で中日友好に「彩」添える 水墨画家・劉小愛氏

日中友好会館美術館で来場者に自作を紹介する劉小愛氏(左)。(2023年12月19日撮影、東京=新華社配信/劉智勇)

 劉氏が「向往」に描いた川は中国の長江であると同時に日本の隅田川でもあり、中日両国の一衣帯水の関係を表しているという。太陽に向かって成長するランの花は、より素晴らしい暮らし、より素晴らしい事業、天下太平で満ち足りた運命共同体の実現という、両国国民に共通する三つの願いを代表している。

 「向往」は生き生きとした鮮やかな色彩を取り入れることで作者の豊かな情感を伝えている。劉氏によると、多くの外国人は「墨蘭」を、白と黒のモノクロの色調で寂しげな雰囲気のものだと思い込んでいる。だが重要なのは、外形を似せるだけでなく、内面的にも同様のものを追求することだ。鮮やかな色彩は「向往」に色を足しただけでなく、心の声を表現している。

ランの絵画で中日友好に「彩」添える 水墨画家・劉小愛氏

日中友好会館美術館で展示された劉小愛氏の作品。(2023年12月19日撮影、東京=新華社配信/劉智勇)

 「中日両国は引っ越すことのできない隣国だ」。「向往」の暖かい色調は熱意と愛情を表している。「両国の平和友好を象徴するランの花の精神が色彩の表現によって日本の人々に届き、好ましい感情がいつまでも続いていくことを願っている」と劉氏は語った。(記者/肖月)

ランの絵画で中日友好に「彩」添える 水墨画家・劉小愛氏

ランの絵を描く劉小愛氏。(資料写真、北京=新華社配信/劉智勇)

ランの絵画で中日友好に「彩」添える 水墨画家・劉小愛氏

劉小愛氏の作品「常緑闘厳寒」。(1月31日撮影、北京=新華社配信/劉智勇)

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