米、即時停戦決議に拒否権 安保理、ガザ情勢で

パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻について協議する国連安保理の緊急会合=20日、米ニューヨーク(共同)

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は20日、イスラエル軍が準備するパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻回避に向けた「即時人道停戦」を求めた決議案を否決した。常任理事国の米国が拒否権を行使した。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの休戦を巡る外交交渉が続いているとして反対していた。15理事国のうち日本やフランスなど13カ国が賛成し、英国が棄権した。

 決議案はパレスチナが非常任理事国アルジェリアを通して提出した。即時人道停戦に加え、ガザ住民への人道支援強化、パレスチナ人の強制移住阻止が盛り込まれた。

 外交筋によると、米国は「可能な限り早急な一時停戦を支持する」と表現を後退させた独自の決議案を今後安保理に提出する見通しだ。「現状でのラファ侵攻は市民へのさらなる被害と近隣諸国への退避をもたらす」と反対を表明。一時停戦には「ハマスによる人質解放が前提」と条件を付けた。米政府高官は安保理での採決時期は未定だとした。

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