【鹿沼】佐藤信(さとうしん)市長(77)は20日、市役所で記者会見を開き、6月20日の任期満了に伴う市長選について「立候補はしない」と正式に表明した。
理由としてまず年齢を挙げ「目に見えないところで『経年劣化』が進んでいる。激動の時代を迎え、次の世代に引き継いだ方が鹿沼市にとってプラスと考えた」と説明。県議と市長で計33年に及ぶ政治生活を踏まえ「家庭のことを顧みず、政治の場に身を置いてきた。そろそろ恩返ししないといけない」とも述べた。
市政については新庁舎建設などの懸案に解決のめどがついたことに触れ「健全財政を基本に掲げながら新たな課題に挑戦し、次の世代にバトンタッチできることは誇れる」と強調した。
後継については「市民党として公平にやってきた」と指名はしない考えを示した一方で、「納得できない候補が出てきた場合には考えざるを得ない」と、立候補者の考えを踏まえて判断する余地も残した。
佐藤氏は2008年5月に初当選し、現在4期目。市長選では同市選挙区選出の県議松井正一(まついしょういち)氏(58)が立候補に意欲を示しており、自民党も独自候補の擁立を目指している。