君はコンプリートできるかな? 鹿沼の消防団トレーディングカードが好評 関係団体とのコラボカードも考案中

17種類そろったトレーディングカード

 未来の消防団員確保につなげようと、栃木県鹿沼市消防本部は消防団のトレーディングカードを作製し、広報に活用している。ポーズを決める団員や勢いよく放水する団員-。全14分団の特色に合わせた内容が好評だ。11日の消防フェスティバルでも配布し、子どもたちから好評を博した。

 カードは17種類。2022年度から少しずつ作製を進め本年度、団本部や女性部「さつき隊」、14分団のカードがそろった。各分団から写真を募り、同本部地域消防課の主任主事上野祐輝(うえのゆうき)さん(34)がデザインを担当。上野さんは「団員たちの“味”を生かすようにレイアウトした」と語る。

 第14分団(清洲)は医王寺での集合写真、第11分団(粟野)は旧粟野中での放水訓練など、地域とのつながりを強調する内容。一方で、12分団(粕尾)は腕組みした団員のアップ写真に行書体で「戮力協心(りくりょくきょうしん)」、4分団(東部台・北犬飼)は「絆」と中央に大きく記すなど、各分団のカラーの違いを楽しめる。

 狙うのは、子どもたちへの訴求。同団には2月現在、728人が所属し、平均年齢は40.2歳と高年齢化が進む。若手団員の確保が最大の課題となる中、コレクションをきっかけに消防活動への興味を育む考えだ。同課担当者は「カード自体かっこいいので、団員のモチベーションにもなる」とも説明する。

 カードは市内外での消防・防災イベントで配布している。11日、同本部で行われた消防フェスティバルでは会場内でカードを集めて回る企画を用意。全種類そろえた北小1年石川愛果莉(いしかわあかり)さん(7)の母親陽菜(はるな)さん(37)は「一枚一枚カードを紹介してくれてどの企画よりも楽しんでいた」と話した。消防団の関係団体とコラボしたカードも考案中という。

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