「北朝鮮に近かったから?」クリンスマン前監督の“仰天発言”に韓国メディアが敏感反応!就任時の意外な新事実も暴露される

電撃解任から1週間が経過しても、韓国国内ではいまだ話題に事欠かない。

現地2月16日、大韓サッカー協会(KFA)は韓国代表を率いるユルゲン・クリンスマン監督との契約を解除したと発表。契約期間を2年半も残すなかでの更迭で、違約金総額はコーチングスタッフ分を含めておよそ11億円にのぼると見られている。

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さまざまな言動で物議を醸した元ドイツ代表のレジェンドだが、昨年3月の就任以来ずっと問題視されていたのがいわゆる“在宅勤務”だった。KFAとの契約時に「韓国在住」が条項に盛り込まれ、本人も「それは当然だ」と話していたが、遵守されることはなかったのだ。自宅がある米西海岸を常に拠点とし、Kリーグの視察が不十分だとの猛批判も浴びた。

そんななか、火曜日に韓国メディアが一斉に報じたのは、ドイツ誌『Der Spiegel』に掲載されたクリンスマン氏の発言だ。KFAは就任当初、クリンスマン氏に代表チームのトレーニングセンターがあるパジュ(坡州)の宿舎に泊まるように頼んだところ、監督がこれを拒否。ソウル中心の光化門にある高級ホテルを定宿とした。

『Der Spiegel』誌によるとクリンスマン氏は「パジュに滞在するのは好きじゃなかった。北朝鮮の国境に近かったからだ」と話し、「宿泊施設も古かった。家具は壊れそうで壁が薄く、誰がトイレを使っているのかも分かるほどだった」とその理由を明かしたという。

これに韓国メディアが反応する。『聯合ニュース』は「韓国に滞在しなかったのにはやはり否定的な理由があった。国民の信頼を失うわけである」と断じた。そして『News1』は「パウロ・ベント前監督は在任中ずっと韓国に住んでいただけでなく、ソウルに家を提供するというKFAの申し出さえ断り、パジュから短時間で通える高陽に住んでいた」と比較したうえで、「クリンスマンが韓国に滞在しなかったのは不条理であり、理由もまた不条理だった」と糾弾している。

在宅勤務についてクリンスマン氏は『Der Spiegel』誌で「ノートパソコンが私のオフィス。それさえあればどこでも仕事ができる。私は空を飛ぶ鳥のような人間なんだ」とも語っている。

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さらに同誌上において、KFAのチョン・モンギュ会長とクリンスマン氏が交わした知られざるやりとりも明るみとなった。

韓国代表はカタール・ワールドカップ終了後にベント前監督が契約満了で退任。後継者選びに手を焼き、ようやく2か月をかけてクリンスマン政権誕生に漕ぎつけた。チョン・モンギュ会長は16日の解任会見で、「ベント監督を招聘した時と同じ手順を踏んだ。5人の候補者から面談して決まった」と振り返り、あくまで独断専行ではなく、戦力技術委員会が主導で人選・精査したうえでの就任だったと強調した。

だが『Der Spiegel』誌が新事実を紹介している。カタール・ワールドカップの期間中、韓国がラウンド16で敗退した直後だった。ドーハのホテルで会長とクリンスマン氏が対面。その席でクリンスマン氏が冗談めかして「新監督を探しているのかい? だったら連絡してくれよ。長い付き合いなんだから」と語りかけたという。

となると、会長の説明と食い違う。韓国のファンやメディアは会長が鶴のひと声でクリンスマン政権を誕生させたと怒りを露にしており、責任追及のムードが一気に高まっている。韓国の庶民民生対策委員会は会長が任命を強制したとして、KFA職員への業務妨害などで告訴。ソウル警察が捜査に乗り出す事態にまで発展している。

20日には新たな技術委員会が発足させて、次期代表監督の招聘に向けてリスタートを切ったKFA。しかしながらその周辺はまだまだ、“クリンスマン狂騒曲”の余波に苦しんでいる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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