奈緒 男女の性差に翻弄され葛藤する高校教師に 鳥飼茜原作 「先生の白い嘘」公開決定

鳥飼茜の同名漫画を原作とした映画「先生の白い嘘」が実写映画化され、2024年7月5日より劇場公開されることが決まった。奈緒が主演する。

原作は、全8巻の累計部数が100万部を突破した鳥飼茜の代表作。ひとりの女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出したヒューマンドラマとなっている。

映画化にあたり、主人公である高校教師・原美鈴を演じるのは奈緒。映画「事故物件 怖い間取り」やドラマ「あなたの番です」で、強烈な個性を放つキャラクターを演じた一方、ドラマ「あなたがしてくれなくても」では女性の複雑な心情をリアルに表現するなど、確かな演技力で活躍を続けている。

奈緒が本作で演じるのは、親友の婚約者である男性から強制的な関係を求められているにも関わらず、彼との行為を通して「性への欲望・快楽への渇望」が芽生えたことに気づき、矛盾する感情のはざまでもだえ苦しむ女性。平凡な教師を装っていた彼女が、担任する男子生徒・新妻の不倫疑惑事件をきっかけに、それまで見て見ぬふりをして“嘘”でごまかし続けていた、自身の中に潜む醜い膿(うみ)のような感情と向き合っていく。そして、男女の「性差」を「格差」として振りかざす男性に対して、真正面から向き合う姿を見せる。

監督を務めるのは、「恋わずらいのエリー」「弱虫ペダル」などの三木康一郎。初めて自ら映像化を熱望し、実写映画として結実した。脚本は、「透明なゆりかご」「きのう何食べた?」で、東京ドラマアウォード2019の優秀脚本賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」などを手掛けてきた安達奈緒子が務めている。

また、劇映画では初となる「3面ライブスクリーン」での上映も決定している。「3面ライブスクリーン」は、3つあるスクリーンを横長につなげたワイドな画角や3つのスクリーンにそれぞれ異なる映像を映す演出、通常の本編には入っていない追加カットなど、独自の演出方法によって人々の心情に訴えかける、新しい表現を実現している。

奈緒と三木康一郎監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■奈緒: 原美鈴(はら・みすず) /主人公・高校教師
原作漫画『先生の白い嘘』と出会った時の衝撃を今でも覚えています。埋もれてしまっていた誰かの叫びが自分の耳を突き抜けていくような感覚でした。そして、その誰かの一人である"美鈴"として、この作品と共に苦しみ、この作品と共に闘うことを心に誓い出演をお受けいたしました。社会の中で弱者と強者という構図は、今もなおなかなか無くなりません。いつかそんな言葉さえなくなり一人一人が"自分"を受け入れられる世界を切に願っております。

■三木康一郎監督
鳥飼先生のこの原作を映像化したいと動き出してから7年以上の月日が流れました。当時は性被害に関してはどこか他人事のような世の中で、映像化したいという思いもなかなか伝わらなかったことを覚えています。男女の性の格差や性被害を描いた原作は、男である私にとって、センセーショナルで、未知のもので、そして、思いもしない感情が渦巻いているものでした。それはとても衝撃的で、より具体的に伝えられたらと映像化に向けて動き出したのです。今までの知識や感情は全て捨てて、原作に向き合い、闘い続け、完成させた7年でした。そんな映画「先生の白い嘘」が皆さんの目にどう映るのか?正直、不安と期待が渦巻いています。

【作品情報】
先生の白い嘘
2024年7月5日(金)全国ロードショー
配給:松竹ODS事業室 / イノベーション推進部
©2024「先生の白い嘘」製作委員会 ©鳥飼茜/講談社

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