被災地にキッチンカー コメダ、〝くつろぎ〟届ける

キッチンカーを派遣しコーヒーなどを無料提供した(1月、石川県内で)

 喫茶店「コメダ珈琲店」をチェーン展開するコメダ(本社名古屋市)は、能登半島地震の被災地支援で石川県にキッチンカーを派遣し、温かいコーヒーなどを無料で提供している。地震発生から間もない1月中旬に10日間、活動したのに続いて、今月23~25日の3連休に再度、石川県を訪れる予定。キッチンカーの機動力を生かし、「くつろぎ」の時間を届ける。(竹田ゆりこ)

 キッチンカーは、2022年に1台を導入。これまで地域のイベントや祭り、学校などに出動し、コメダ珈琲店で取り扱っているメニューの移動販売や、食育などを行ってきた。当初から災害支援時の活用は想定にあったが、実際に被災地支援で派遣したのは今回が初めて。

 現在、コメダ珈琲店は石川県内にFC(フランチャイズ)8店舗を展開している。能登半島地震発生後に被災状況などを確認する中で、何か支援できることはないか思案。地域のFCオーナーと連携し、被災地の要望に応える形で、機動力に優れるキッチンカーの派遣を決めた。

 1月10日から19日までの10日間、キッチンカーは被災地の避難所やコミュニティーセンター、学校などを巡回し、温かいコーヒーやパンなど約3千人分の食材を無料で提供した。23~25日の3連休には第2弾を実施する予定で、社内では、応援に派遣する最大延べ15人を公募している。

 同社は、体を休めるだけでなく心まで安らげる「くつろぎ」の提供を、理念に掲げている。くつろぎを被災地に届け、支援につなげていきたい考えだ。広報チームの白野紬主任は「コメダ珈琲店の95%はFC加盟店舗で、地域密着の運営が強み。これからも継続的に被災地支援の活動ができれば」と話している。

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