トヨタ工業学園で卒業式 豊田会長「249通りの道があってほしい」

豊田会長(左)から修了証書を受け取る卒業生

 トヨタ自動車は20日、豊田市の本社本館ホールで企業内訓練校「トヨタ工業学園」の卒業式を行った。高等部125人、専門部124人の計249人が卒業した。一人一人名前を呼ばれた卒業生は力強い返事で応え、旅立ちを迎えていた。

 豊田章男会長は卒業生に向けて、トヨタグループの新ビジョン「次の道を発明しよう」を紹介した上で、「『道』は卒業生皆さんの中にある。卒業生249人に249通りの道があってほしい」と呼びかけた。

 また、式典後に豊田会長は取材に応じ、卒業生に関して「個性を大切にする多様な人材に育ってくれた」と話した。来賓で出席した愛知県の大村秀章知事は「日本の産業界、技能を引っ張るリーダーになってほしい」と期待を寄せた。

 卒業生代表で高等部の岡田礼夢さん(18)は「今後は成長した姿を見せて、多くの方に恩返ししたい」、田崎優太さん(18)は「卒業後に先行電池開発部に配属される。電池を通じ、カーボンニュートラル達成に貢献したい」と抱負を述べた。

 トヨタ工業学園は、1938年に豊田工科青年学校として開校した。2002年に現在の名称に変更した。

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