米銀キャピタル・ワンのディスカバー買収、当局承認は円滑に進展か

Niket Nishant

[20日 ロイター] - 米銀キャピタル・ワンが19日に発表したクレジットカード大手ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ買収計画は、実現すればビザとマスターカードの大手2社に対抗する有力なクレジットカード会社を生むため、競争促進の観点から規制当局の承認手続きが円滑に進むのではないか、との見方が専門家の間で出ている。

キャピタル・ワンはディスカバーを株式交換方式で買収すると発表。買収額は353億ドル。 キャピタル・ワンはディスカバーの決済ネットワークにアクセスできるようになり、ビザやマスターカードへの依存度を下げることもできる。

議員の間にはビザとマスターカードの「2社独占」を問題視する声があり、決済市場の競争を促進するとキャピタル・ワンが約束することが、この案件が政治的・規制的なハードルを乗り越える上で鍵になるとアナリストはみている。承認手続きは数カ月におよび、司法省が乗り出す可能性もある。

BTIGの政策調査ディレクター、アイザック・ボルタンスキー氏はメモで「この案件は最終的に規制当局の承認を得られるだろうが、事業統合に懐疑的な議員からの逆風に直面しそうだ。ただし、議会内にはビザとマスターカードによる2社独占への警戒感もあり、競合他社の強化は、前向きに捉えられる可能性がある」と分析した。

キャピタル・ワンのリチャード・フェアバンク最高経営責任者(CEO)は20日、ディスカバー買収計画は「承認に向けて十分な準備が整っている」と述べた。両社は規制当局に情報を提供しているとしたが、具体的な内容は明かさなかった。キャピタル・ワンとディスカバーは向こう2、3カ月以内に正式な書類を当局に提出する予定だという。

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