10月から「大山忠作襖絵(ふすまえ)展~成田山新勝寺襖絵『日月春秋(にちげつしゅんじゅう)』」 福島県二本松市

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 福島県二本松市の大山忠作美術館の開館15周年記念特別企画展「大山忠作襖絵(ふすまえ)展~成田山新勝寺襖絵『日月春秋(にちげつしゅんじゅう)』」は10月1日から11月17日まで同美術館で開かれる。市内出身の日本画家で元日展会長、文化勲章受章者の大山忠作さん(1922∧大正11∨~2009∧平成21∨年)が描き、千葉県成田市の成田山新勝寺に奉納された全21枚28面を、初めて故郷で紹介する。20日に市民交流センターで実行委員会を開き開催要項を確認した。

 襖絵は弘法大師1150年御遠忌に当たり、記念事業の一環として大山さんが2年を費やして制作し、1980(昭和55)年に完成した。客殿の光輪閣日輪の間に早暁の日輪と満開の雄大な三春滝桜、月輪の間に幽玄の月と紅葉の華麗な福島市高湯の楓(かえで)を描いた襖が配されている。精魂込めた大作は完成後、国内やパリなどで展示され大山さんの名声を高めた。

 企画展は同美術館とNPO法人まちづくり二本松の主催で、襖絵のほか成田山新勝寺と大山さんの関連作品、大山さんの代表作を紹介する。関連イベントも催す。大山さんの長女で俳優の大山(一色)采子さんは実行委員会で「成田山の大広間で実際に使われている襖で、納められてから門外に出るのは初めて。二本松でなければ見ることができない大山の代表作を、一人でも多くの方に見ていただきたい」と語った。同美術館長の安達秀司まちづくり二本松理事長があいさつし関係者が成功を誓った。

 企画展の入館料は一般800円(前売り700円)、高校生以下400円(同300円)など。前売りは5月からの予定。

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