3つの「顔」を持つ足立さん、イラスト展の題材は? 画面いっぱい、あっちにもこっちにも… 丹波・氷上

顔をテーマにしたイラストを描く足立遥紀さんと作品=マミムメモ・ブックブック

 怒った顔、笑った顔、ほうけた顔、あっちにもこっちにも顔…。オリジナルキャラクターの顔で画面を埋め尽くしたイラストの作品展が、ライブラリーカフェ「マミムメモ・ブックブック」(兵庫県丹波市氷上町絹山)で開かれている。自動車部品製造、たこ焼きの移動販売、イラストレーターの三つの「顔」を併せ持つ男性が、顔を題材にした約40点を展示する。無料。24日まで。(伊藤颯真)

 足立遥紀さん(39)=丹波市氷上町石生。自動車部品を製造する「足立産業」を市内で母と営み、新型コロナウイルスの影響で受注が減った2022年冬に、新事業部として「あだちのたこ焼き」を立ち上げた。事業部長として開発したオリジナルレシピは、まろやかでクリーミーと好評だ。

 そんな足立さんがイラストを描き始めたのは高校生の頃。きっかけは教科書の落書きだった。授業に集中できず、歴史上の偉人にヒゲを生やしたり、教師の顔を崩したキャラクターを描いたり。次第に、絵を描いていない白紙の部分にさみしさを感じ、キャラクターの顔で画面全体を覆い尽くした。クラスメートからの反響もあり、卒業文集の表紙を手がけもした。

 作品はボールペンとアクリルガッシュという絵の具を使用。キャラクターはすべてユーモアにあふれ、目を細めていたり、歯ぎしりしていたりと飽きさせず、人間の表情の豊かさに驚かされる。

 たくさんの本がある会場のため、イラストと本の色を合わせるなどの工夫を凝らした。「はんてんメガネアヒル」の横には、黄色い表紙の本が並ぶ。「あだちのたこ焼き」のキャラクターで、ソース味の「そー助」とねぎ塩味の「ネギー」も展示している。

 足立さんは「人間の表情は繊細で不思議。ちょっと口の角度や目玉の位置を変えるだけで、優しい笑い方をしたり、にやついたりする。ふざけた絵が多いけど、楽しんでもらえたらうれしい」と話していた。

 午前10時~午後5時。22日は休み。23、24日は「あだちのたこ焼き」の出店も。詳細は同カフェのインスタグラム。

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