年老いた親の経済状況は子どもとして気になるものですが、じっくりと話す機会は少ないかもしれません。実家や義実家に行くたびごちそうを用意してくれたり、お小遣いをくれたりしていたら、「自分の親は経済的に余裕がある」と安心してしまいそうですよね。今回は私の友人A子さんから聞いた、舅の話を紹介します。
羽振りの良かった舅
長年勤めていた会社を退職し、去年から年金生活を始めたA子の舅。姑は何年も前に亡くなっているため1人暮らし歴も長く、家事全般は問題なく行えています。退職金ももらったらしいとA子は夫から聞いていたので、特に心配はないと思っていました。
義実家へ遊びに行くたびに数千円、A子の息子の誕生日やクリスマスなど特別なイベントのときには1万円のお小遣いをくれていた舅。よく息子をゲームセンターに連れて行ってくれたりもしていました。そのたびに息子から「クレーンゲームをやりたいだけやらせてくれる」と聞いていました。さすがにゲームセンターに連れて行ってもらったときは、なにかの足しにと数千円だけでも舅に渡そうとするのですが、「貯金しておきなさい」と言って受け取ってくれません。そのため、てっきり舅はお金に余裕があるのだと思っていたのですが……。
お正月にまさかの請求が……
新年の挨拶のため、お正月に義実家へ寄ったA子たち親子。挨拶を終えると、舅は孫に早速準備していたお年玉を渡してくれました。舅にお年玉のお礼を言ったA子でしたが、返ってきた舅の言葉を聞いて自分の耳を疑いました。
なんと「去年はだいたい10万くらいかな? 使ったから、返してもらえるか?」と言ってきたのです。それは、まぎれもなく孫のために使った分のお金の請求でした。
お年玉を渡す予定ではあったものの……
一瞬「え、請求されるの?」と驚いたA子でしたが、年金暮らしとなった舅には、もともとお小遣いとしてA子夫婦からもお金を渡す予定ではいました。しかし、まさかお金を請求されるとはこれっぽっちも思ってもおらず……。とても複雑な気持ちになったA子でした。
舅は、子どもたちを喜ばせるためにお金を使ってくれていましたが、よくよく考えたら孫にお金を使いすぎたと思ったのでしょうか。とはいえ、新年早々お金を請求されるとはA子もびっくりしたことでしょう。後日、お金に困っているのか夫経由で確認したそうですが、特に困ってはいないとのこと。ひとまず安心したA子でした。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:ichika.K