はしか流行の高いリスク、世界の半数以上の国々に=WHO

[ジュネーブ 20日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は20日、世界の半数以上の国々が今年は麻疹(はしか)の流行リスクに直面しており、緊急に予防対策を講じないと、そのリスクは国によっては非常に高くなると警告した。

新型コロナウイルス感染症流行時の医療機関のひっ迫を背景に、はしかの患者数がほとんどの地域で増加している。定期予防接種率が低下したことが理由とされる。

WHOで麻疹・風疹担当の上級顧問ナターシャ・クロウクロフト氏は会見で、予防接種計画に生じた大きな空白をワクチン接種で迅速に埋めない限り、はしかが流行するとの懸念を表明した。

クロウクロフト氏は、経済危機や紛争といった問題に絡んで各国政府による予防接種に対する取り組みに欠如があると指摘し、子どもを守るために緊急対策を呼び掛けた。

WHOのデータによると、昨年の感染者数はすでに79%増の30万人を超えているが、これは全体のほんの一部にすぎないと考えられている。

はしかは非常に感染力が強く、空気感染するウイルスで主に5歳未満の子どもが罹患する。感染は2回のワクチン接種で予防でき、2000年以降では5000万人余りの死亡を防いでいる。

© ロイター