竹ン芸の歴史まとめる 土肥原さん「若宮稲荷神社」出版 地域の伝統を後世に

竹ン芸に関する本を自費出版した土肥原さん=長崎市、若宮稲荷神社

 長崎市伊良林2丁目の若宮稲荷神社の例大祭でキツネに扮(ふん)した青年たちが高さ10メートルの竹ざおの上で妙技を披露する「竹ン芸」。市長崎学研究所の元所長、土肥原弘久さん(66)がその歴史などをまとめた「御鎮座三百五十年 若宮稲荷神社(じんじゃ) 竹ン芸奉納と御神輿(みこし)巡幸」を自費出版した。
 土肥原さんは、これまで長崎くんちや精霊流しに関する本を20冊以上出版。伊良林地区出身で「地域の伝統を後世に継承していきたい」という思いから、初めて竹ン芸を題材にした。
 3章構成で、1章は創建350年を昨年迎えた同神社の歩みを解説した。2章では江戸時代に長崎くんちの演(だ)し物として始まったという竹ン芸の歴史や奉納の様子を紹介。昭和の頃、キツネ役が落下して重体となり翌年中止されたが、「由緒があり、続けたい」との神社の意向ですぐ復活したエピソードも。3章は竹ン芸とともに氏子町で実施する子ども神輿(みこし)の巡行を取り上げた。
 A5判。160ページ。掲載写真116点。2200円。好文堂書店(浜町)と長崎歴史文化博物館(立山1丁目)で販売中。

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