再送-インタビュー:投資銀ビジネス、トップ10は維持可能 グリーンヒルも寄与=みずほ証常務

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Ritsuko Shimizu Makiko Yamazaki

[東京 21日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループは昨年、株式・債券の引き受けやM&Aアドバイザリーなど投資銀行の手数料リーグテーブルで初めて世界のトップ10に入った。グローバルで投資銀行部門を率いるみずほ証券の高橋直樹常務は、買収した米M&Aアドバイザーのグリーンヒルも本格的に寄与してくるため、24年以降も「トップ10をキープしたいし、キープできる」と意気込む。

高橋常務はロイターとのインタビューで、リーグテーブルの上位10社入りしたことについて「バルジ・ブラケット(欧米の一流の投資銀行群)の牙城を一部崩したという意味では、日本のインベストメントバンクとしてエポック・メイキングだし、今後の成長性も感じられる」と述べた。

LSEGによると、みずほは2023年のリーグテーブルで10位に入った。22年は14位だった。23年は大型案件となった英半導体設計大手アーム上場で主幹事4社に入ったことが寄与した。日本勢がトップ10入りするのは、2010年に野村ホールディングスが9位に入って以来のことになる。

リーグテーブルは、公募増資や普通社債の引き受け、M&Aアドバイザリーなどに関する金融機関の実績ランキングのこと。みずほの手数料は前年比16%増の19億7000万ドルだった。上位8社の顔触れは前年と変わっていない。

みずほは23年12月に米国のM&Aアドバイザリー会社のグリーンヒルを完全子会社化した。23年もグリーンヒルが関与した案件は集計対象となっているが、24年以降は、両社の融合という面で本格的に寄与してくることになる。

高橋常務は「日本の競合に比べて、M&Aのプラットフォームは広くなった。日本企業の海外へのアクセスで手伝える幅、提案できる幅は格段に広がる」とみる。M&Aのランキングは圏外だったが「ぐっと中に入ってくる可能性も出てきている。まだ、伸びしろは大きい」と期待感を示す。

足元では、日本製鉄のUSスチール買収やルネサスエレクトロニクスの半導体ソフトウエア開発のアルティウム買収など、日本企業による海外企業の大型買収が続いている。

欧米が90%を占めるM&A市場は「完全にバルジ・ブラケットの牙城」だが、まずは400人近くのグリーンヒルとみずほの一体化を急ぎ、「そこにチャレンジしていきたい」としている。

*インタビューは7日に実施しました。

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