【開幕スタメン予想|浦和】懸案ポジションだった左SBは新加入の渡邊凌磨。最終ラインから中盤までは固まりつつある

いよいよ開幕を迎えるJ1リーグ。20チームに増えた24シーズンは、どんな戦いが繰り広げられるか。本稿では浦和レッズの開幕スタメンを予想する。

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ペア・マティアス・ヘグモ監督が就任した今季、4-3-3の導入が明言されて、始動からチーム内の序列をハッキリさせる形で進めてきた。沖縄県でのトレーニングキャンプを経て、基本的に最終ラインから中盤まではメンバーが固まりつつある。

昨季、リーグ最少失点に抑えてベストイレブン受賞のGK西川周作、センターバックのアレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテンは不動で、右サイドバックの酒井宏樹は、負傷もなく今季は本領を発揮できそう。

懸案ポジションだった左サイドバックは新加入の渡邊凌磨、激戦区だった左インサイドハーフは小泉佳穂で、前橋育英高校時代の同期コンビに収まりそうだ。

また、中盤センターには前所属のスウェーデン1部・ヘッケンでヘグモ監督の指導を受けて戦術を熟知する新加入のサミュエル・グスタフソンが入るだろう。高い技術でボールロストがなく、左右にボールを振り分けるプレーメーカーとしてタクトを振るいそうだ。

そして、伊藤敦樹はヘグモ監督が就任前にチェックした時点から、高い能力の持ち主と評価され、主力組に固定されてきた。

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前線3枚は考慮の余地を残す。センターフォワードにはJ1得点王経験のあるチアゴ・サンタナの起用が基本で、興梠慎三が控えるだろう。

またウイングは、左右を高いレベルでプレーするオラ・ソルバッケンの調整がギリギリになる可能性がある。右の前田直輝、左の松尾佑介の目玉補強選手たちも高いレベルでポジションを争い、戦術理解度が高く周囲を生かせる関根貴大も候補に挙がる。FWはコンディションを考慮しながら、この6人からスタメンとベンチスタートが決まるだろう。

残り4人のベンチ入りでは、GKは浦和で3シーズン目の牲川歩見、最終ラインは新加入で空中戦に強い佐藤瑶大、中盤で経験豊富な岩尾憲が有力候補。ラスト1枚の選択は、インサイドハーフ、サイドバックでもプレーできる関根貴大か。

攻撃的なオプションを持つなら中島翔哉、サイドバックの控えを入れるなら新加入の石原広教とパリ五輪代表を目ざす大畑歩夢からのチョイスになりそうだ。

いずれにしても、オフシーズンの動きを含め周囲の注目度と期待も高いシーズン開幕戦になる。難敵と言って間違いのないサンフレッチェ広島を相手に、どこまでの完成度を見せられるか注目だ。

取材・文●轡田哲朗(フリーライター)

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