無実の息子を取り戻すため米大統領を訴える 「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」公開決定

第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞2冠(主演俳優賞、脚本賞)を受賞したドイツ映画「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」が、2024年5月3日より劇場公開されることが決まった。

「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」は、悪名高きグアンタナモに収監された無実の息子を取り戻すために闘った、ドイツの母の実話を元に描いた作品。2001年、アメリカ同時多発テロのひと月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民一家の母ラビエ・クルナスは、長男のムラートが旅先で”タリバン”の嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に収監されたことを知る。警察も行政も動いてくれない中、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケの元を訪れたラビエは、アドバイスを受け、アメリカ合衆国の最高裁判所で、ジョージ・W・ブッシュ大統領を相手に訴訟を起こすことになる。

監督を務めたのは、「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」などのアンドレアス・ドレーゼン。ムラート・クルナスの著書を読んだドレーゼン監督は、訴訟も裁判もないまま収容所に送り込まれ、5年も出られなかったという事実に憤りを感じ、映画化を計画。しかし、あまりにも悲惨な内容に二の足を踏んでいた。そんな中で出会ったムラートの母ラビエ・クルナスの天真らんまんなキャラクターに魅せられ、作品の方向性が決定。ドイツのコメディアンであるメルテム・カプタンが主演を務めたことで、シリアスなテーマにもかかわらずコメディタッチで軽妙な作品が誕生した。

ラビエ本人と同じくトルコ系ドイツ人であるカプタンは、アメリカでミュージカル俳優として活動したのち、ドイツに拠点を移し人気コメディアンに上り詰めた経歴を持つ。ドイツ映画デビュー作にして初主演となった本作により、第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(主演俳優賞)受賞を成し遂げた。さらにベルリン国際映画祭では銀熊賞(脚本賞)のダブル受賞も果たし、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞では作品賞(銀賞)、主演女優賞、助演男優賞の3部門を受賞した。

【作品情報】
ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ
2024年5月3日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
配給:ザジフィルムズ
(c) 2022 Pandora Film Produktion GmbH, Iskremas Filmproduktion GmbH, Cinéma Defacto, Norddeutscher Rundfunk, Arte France Cinéma

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