【阪急杯】昨年のアグリに続け アサカラキングが4連勝で重賞ゲットだ

ⒸSPAIA

距離延長組は割引

2024年2月25日に阪神競馬場で行われる第68回阪急杯。阪急といえば、関西に住んでいる人にはおなじみの名称、百貨店や電車などが頭に思い浮かぶ。ところで、阪急電車の車両は赤と黒の中間色。社会人になって初めて知ったのだが、あれは「マルーン」という色らしい。もしかすると、黒(2枠)と赤(3枠)からたくさん勝ち馬が出ているのでは、と思って調べてみたが、過去10年で2枠は1勝、3枠に至っては勝ち馬ゼロ。全く関係ありませんでした。

それはさておき、3月に行われるスプリントGⅠ高松宮記念に向けて、大事な一戦である本レース。果たしてどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基に検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬は28頭出走して2勝(3連対)、栗東所属馬は134頭出走して8勝(17連対)。複勝率で少し栗東所属馬がリードしているが、それ以外は大きな差は見られない。

☆性別
性別では、牡馬、セン馬が142頭出走して8勝(17連対)、牝馬は20頭出走して2勝(3連対)。勝利数と連対数が栗東と美浦と全く同じ配分だが、こちらは牝馬の方が勝率、連対率ともに上。複勝率が25%なので、4頭に1頭は馬券に絡んでいる計算になる。また、連対した牝馬3頭中、2頭(19年レッツゴードンキ、21年レシステンシア)は桜花賞で連対経験があった。

☆年齢
年齢は、4歳と6歳が3勝、5歳と7歳が2勝ずつ。4~6歳は5連対ずつ、7歳は4連対。この4世代はほぼ横一線だ。ただ、勝率、連対率、複勝率で比較すると4歳が頭ひとつリードしている。8歳以上からは勝ち馬が出ておらず、2、3着に1頭ずついるだけだ。

☆前走クラス
3勝クラスからGⅠまで、まんべんなく勝ち馬が出ている。強いて挙げるなら、3勝クラス。11頭が出走して、20年ベストアクター、23年アグリが優勝している。この2頭は前走距離が1400mで、勝ってここに駒を進めていた。

☆前走
連対馬を多く出しているのは阪神Cの6連対(2勝)。京都金杯は3連対(2勝)で、勝率15.4%、連対率23.1%と優秀だ。

☆前走距離
前走距離については、前走1400mと1600mがともに複勝率20%台で及第点の数字。この2路線に比べると前走1200m組は同10%台と、少し数字が劣る。

☆その他
その他で気になったデータは2つ。まずは毛色。栗毛は21頭出走して、1頭も勝ち馬が出ていない。続いて前走着差。前走で1.5秒以上負けていた馬から連対馬は出ていない。

1400mの3勝クラスを勝ち上がり

阪急杯のデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「牝馬、GⅠ好走歴があればなおよし」
B「4歳馬」
C「前走が京都金杯or1400mの3勝クラス1着」

【好走率ダウン】
D「前走1200m」。

【勝ち馬なし、連対率10%未満】
E「8歳以上」
F「栗毛」

【連対なし】
G「前走1.5秒以上負け」

今回注目したいのは、C「前走が京都金杯or1400mの3勝クラス1着」という項目。まず京都金杯組だが、今回はルプリュフォール1頭だけ。勝ち馬が出ていないE「8歳以上」でもあり、強くは推せない。ただ、連対率が高い京都金杯組に当てはまる、ただ1頭だけに印は入れておいた方がいいだろう。

一方、「1400mの3勝クラス1着」に該当するのは、これもアサカラキングだけ。こちらは好走率の高い4歳馬でもあり、マイナスデータはなし。今回はプラスデータが3つしかなく、うち2つを持っているのも強調材料。よって、今回は同馬を本命としたい。サトノレーヴも3勝クラスを勝っているが、こちらは距離が1200mで、好走率がほかの距離と比べて低くなるD「前走1200m」に該当、押さえまでとしたい。

アサカラキング以外、プラスデータを2つ持っている馬はいない。相手が難しくなるが、プラスデータA「牝馬」は、今回サトノアイとメイショウホシアイの2頭。ともにGⅠ好走歴はなく、またほかの距離と比べて好走率が低くなるD「前走1200m」に該当するので、2頭とも対抗印は打ちづらい。さらに、メイショウホシアイは勝ち馬が出ていないF「栗毛」でもあり、牝馬で印を打つならサトノアイの方だろう。ただし、サトノアイは3/4の抽選対象だ。

対抗は最多の7頭が馬券に絡んでいる阪神C組から。今回の登録馬ではウインマーベルとグレイイングリーンの2頭が該当。このうちウインマーベルは勝ち馬の出ていないF「栗毛」なので、グレイイングリーンの方を選択する。同馬はマイナスデータもなく、これを対抗としたい。こちらも現状3/4の抽選対象だが、ぜひ出走してほしい。

◎アサカラキング
◯グレイイングリーン
▲サトノアイ
△ルプリュフォール
×サトノレーヴ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
フェブラリーSに兵庫所属のイグナイターが出走するということで、なんやかんやで忙しかった1週間でした。結果は11着とはいえ、直線に向いた時は「もしかすると」と思わせて、見せ場十分でしたね。イグナイターにかかわった皆様、お疲れ様でした。



© 株式会社グラッドキューブ