「絶対にしてはいけない行動。深く悔いています」卓球事件で非難の韓国代表イ・ガンイン、衝突したソン・フンミンに直接謝罪し和解。主将も理解求める「一度だけ寛大な心で許してください」

韓国サッカー界を揺るがしている“卓球事件”に進展があった。

『スポーツ朝鮮』などの韓国メディアは2月21日、アジアカップ期間中に衝突した韓国代表のソン・フンミン(トッテナム)とイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)が和解したと一斉に報じた。

両者の関係に亀裂が入ったのは、韓国代表がヨルダンに0-2で完敗を喫したアジアカップ準決勝の前日だった。食事を早く済ませ、卓球をして騒いでいたイ・ガンインら若手グループを主将のソン・フンミンが注意し、ここから口論に発展。イ・ガンインがキャプテンに拳をあげ、他の選手たちが両者を引き離す中で、ソン・フンミンが指を脱臼したと報じられていた。

イ・ガンインは騒動が明るみになった当日に、SNSで「兄(先輩)たちの言葉に率先して従うべきでしたが、サッカーファンに悪いイメージを与えてしまい、申し訳なく思っています。失望させてしまった多くの方々にお詫び申し上げます」と謝罪したものの、ソン・フンミンに対しては詫びていなかった。

キャプテンに歯向かったことで誹謗中傷が浴びせられるなか、イ・ガンインはロンドンに直接出向いてソン・フンミンに謝罪。双方がSNSに2ショット写真を掲載して、コメントを発表した。
ソン・フンミン
「こんにちはソン・フンミンです。今日は少し重くて難しい話をします。ガンインが心から反省し、私をはじめとする代表チームすべての選手たちに心からの謝罪をしました。私も幼い時、間違いも多くして悪い姿を見せたこともありましたが、そのたびに良い先輩たちのアドバイスと教えがあったので、今の私がこの場にいることができると思っています。ガンインがこのような誤った行動を再びしないように、私たちすべての選手が代表チームの先輩として、また主将としてガンインがより良い人間、良い選手に成長できるように、横で特に気をつけてあげようと思います」

「私も、自分の行動についてうまくやったと思っておらず、十分に叱責される行動だったと思います。しかし、チームのためにそんな嫌な行動もしなければならないのが主将の本分の一つだという立場なので、もう一度同じ状況に直面しても、チームのために行動します。しかし、今後はより賢明にメンバーを統率できるように努力します。その日以来、ガンインはとても難しい時間を過ごしています。一度だけ寛大な心で許してください。代表チームの主将としてぜひお願いします。サッカーで多くの愛を受けているにもかかわらず、このような騒々しい問題を起こして心から申し訳ございません。韓国代表の主将として重ねて、心からお詫び申し上げます」

【画像】ソン・フンミンとイ・ガンインの和解2ショット
イ・ガンイン
「こんにちは、イ・ガンインです。先のアジアカップで、僕の短絡的な考えと軽率な行動により、フンミン先輩をはじめとするチーム全体とサッカーファンの皆さんに大きな失望を与えました。フンミン先輩を直接訪ねて心から謝罪をすることが大切だと思い、長い会話を通じてチームの主将としての背負った重さを理解し、私自身を振り返る時間を持ちました。ロンドンに訪れた僕を快く迎えてくださったフンミン兄にこの文を通してもう一度感謝します」

「フンミン先輩にとって、どれほど切実な大会だったのか頭では分かっていましたが、心でそして行動ではその切実さを十分に理解していなかった部分で、すべての問題が始まったのではないかと思います。特にフンミン先輩が主将として先輩として、またチームメイトとして団結のために僕にしたアドバイスを聞かずに自分の意見だけを押し通しました。その日の食事の席で絶対にしてはいけない行動をしました。いま振り返って考えても絶対にしてはいけない行動でした。このような点について深く悔いています」

「チームに対する尊重と献身が一番大切なものであって、僕には不足していました。代表チームの他の先輩、チームメイトにも一人一人連絡をして謝罪をしました。先輩やチームメイトたちに対する、僕の言動に配慮と尊重が多く不足していたことを深く反省しています。より正しい態度と礼儀をする約束をしました。私の謝罪を受け入れてくださった先輩たちと仲間たちにも、この文を通してもう一度感謝します。私の行動のために一緒に批判の対象となった選手もいます。彼らへの批判も私が受けなければならないと思います」

「大きな期待と声援を受けたのに、韓国代表の選手として持たなければならない模範的な姿と本分から抜け出して、サッカーファンの皆さんに失望を抱かせて申し訳ありません。これまで韓国のサッカーを守って輝いていた先輩たちと仲間たち、そしてサッカーを愛する多くのファンの方がいたので、今の私がこの位置にいることができたことをもう一度感じるきっかけとなりました。皆さんが私に与えてくださった愛のように、失望が大きいことを知っています。今後サッカー選手として、一人の人間として成長するために一層努力して献身するイ・ガンインになります。申し訳ありません。そしてありがとう」

大エースであるキャプテンと、若手ナンバーワンの逸材が大一番の前に衝突するという異例の事態は、これで終結するだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

© 日本スポーツ企画出版社