栃木県内スキー場で雪不足 暖冬影響、かまくら祭一部中止も

平年に比べ大幅に雪が少ない日光湯元温泉スキー場のゲレンデ=19日午前、日光市湯元

 栃木県内のスキー場やイベント会場が暖冬による雪不足に頭を悩ませている。日光市湯本の日光湯元温泉スキー場では、本格的な営業開始が昨季に比べ約1カ月遅れた。那須塩原市湯本塩原のハンターマウンテン塩原は、人工降雪機の使用時間を例年の約1.5倍に増やした。状況次第で例年より営業終了を早める可能性もあり、関係者は”恵みの雪”を待ち望む。一方、日光市湯西川の「湯西川温泉かまくら祭」は最終週の23~25日の一部ライトアップを中止すると発表した。

 天然のパウダースノーが売りの日光湯元温泉スキー場。19日は小雨が降り、ゲレンデの一部に水たまりができた。山野井秀一(やまのいしゅういち)支配人(57)は「今日は滑走できない。雪を期待していたが」と肩を落とした。この日の積雪は20センチ。昨年同日の100センチを大きく下回り、ゲレンデを使えるギリギリの状況だった。

 雪不足により、本格的に営業を開始できたのは1月22日。記録が残る2007年度以降、最も遅かった。新型コロナウイルスの5類移行を踏まえ、山野井支配人は「今年こそという思いだったのに」と話した。

 ハンターマウンテン塩原では130台の人工降雪機を稼働させ、営業に支障が出ないよう努めている。営業担当金沢孝利(かなざわたかとし)さん(56)は「例年よりも気温が1~2度高い。冷たい飲み物が多く売れ、屋外で昼食を取る人もいる」と驚く。「冬が短くなっているのを感じる」ともこぼした。

 湯西川温泉かまくら祭では23~25日の「沢口河川敷ミニかまくら」の点灯を中止とした。実行委員会によると、暖冬に伴う積雪不足のため、雪の搬入やミニかまくらの制作ができない状況になったとしている。

 宇都宮地方気象台によると、昨年11月1日以降に観測した今季の県内の累積降雪量は今月19日現在、土呂部が平年比73%の190センチ、那須高原が同54%の112センチ、奥日光が同62%の84センチにとどまる。平年より暖かいことや冬型の気圧配置が続かないことが影響しているという。

半袖姿でスノーボードを楽しむ来場者ら=15日午前、那須塩原市湯本塩原

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