施政方針演説 全国初「カスハラ防止条例」制定目指す

都庁では2月20日から都議会定例会が始まりました。小池知事は施政方針演説で、客が従業員らに理不尽な要求をするカスタマーハラスメントの防止に向けた全国初の条例制定を目指す考えを明らかにしました。

小池知事:「昨年から専門家による検討を行い、東京ならではのルール作りが強く求められています。現場において拠り所を持って対応できるよう、独自に条例化の検討を進めます」

東京都は、客が従業員などに暴言を吐いたり、理不尽な要求をするといったカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」の対応について、去年10月から有識者による検討部会を開き、検討を進めています。

都の関係者によりますと、条例案は「カスハラ」が許されないということを都民に周知することを目的とし、罰則規定は設けない方針だということです。また、具体的な禁止行為についてはガイドラインを策定することを想定しています。

小池知事:「中身についてはこれから詰めていくことになろうかと思います。時期的に早期になることを期待しておりますが、(関係各所で)まずはご議論いただいているところ」

条例が制定されれば全国初となり、都は2024年度中の都議会への条例案提出を目指しています。また、小池知事は2月20日の施政方針演説で、都が去年9月から開始した卵子凍結への助成について支援枠を10倍に増やす方針を明らかにしました。都議会定例会は3月28日まで開催されます。

ことしの初めての都議会定例会、ここからは都庁キャップの椿原さんとお伝えします。カスタマーハラスメントの条例化や子育て、教育など知事の演説は多岐に渡る内容でした。今回の都議会では何に注目しますか?

椿原記者:「今回注目されるのが、築地市場跡地の再開発の事業者決定の延期を巡る議論です。都はこの事業者について外部の専門家らの審査を経て来月、決定する方針でしたが、審査委員会が追加のヒアリングが必要と判断したため、事業者の決定が3月から5月上旬ごろに延期される見込みとなっています。この延期について東京都や小池知事は「審査委員会での議論の結果、先延ばしの結論になった」と説明しています。これまで長期にわたって3月と予定を発表していたため、この延期について本会議や都市整備委員会で質問される見込みです。

また、中学校英語スピーキングテストをめぐる議論も注目です。先週金曜日に行われた委員会では、機器の不具合などを理由に再受験の対象となった生徒が今年度の試験で60人、昨年度の試験で27人いたことが2月に入ってから明らかになったことを受け、これまで「テストは問題なく行われた」としてきた都教委の姿勢を問う質問が相次ぎました。委員会では個人情報の特定などを理由に回答を控えたものも多かったため、本会議の質疑で再度追及されることになりそうです。

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