濱口竜介監督最新作映画『悪は存在しない』予告映像公開

第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を入れると黒澤明以来の快挙を成し遂げた濱口竜介。3年弱の短期間での活躍に世界で最も注目される監督の一人となった濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画最新作品であり、現在、世界中の映画祭、映画館で上映され、世界の映画業界を席巻し続けている『悪は存在しない』が、4月26日(金)より東京・Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、東京・シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』ほか全国の劇場で公開されます。

きっかけは、石橋英子から濱口への映像制作のオファーでした。『ドライブ・マイ・カー』で意気投合した2人は試行錯誤のやりとりをかさね、濱口は「従来の制作手法でまずはひとつの映画を完成させ、そこから依頼されたライブパフォーマンス用映像を生み出す」ことを決断。そうして石橋のライヴ用サイレント映像『GIFT』と共に誕生したのが、長編映画『悪は存在しない』です。自由に、まるでセッションのように作られた本作。濱口が「初めての経験だった」と語る映画と音楽の旅は、やがて本人たちの想像をも超えた景色へとたどり着きました。主演に、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜擢。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固めます。

穏やかな世界から息をのむクライマックスまでの没入感。途方もない余韻に包まれ、観る者誰もが無関係でいられなくなる魔法のような傑作が誕生しました。

また、本作より予告映像が公開。いまだ多くのヴェールに包まれた本作より初解禁となった映像では、ごく緩やかに発展してきた長野県・水挽町(みずびきちょう)で自然に囲まれ慎ましく暮らす巧とその娘・花の穏やかな生活、そしてそこに舞い込むグランピング場建設計画の模様が描かれています。濱口監督とは『ハッピーアワー』以来のタッグとなる北川喜雄が捉える自然描写にもご注目ください。

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