ホンダ、満額回答に上乗せ 賃上げ最高、マツダ続く

ホンダのロゴ

 ホンダは21日、今春闘の賃上げと年間一時金(ボーナス)の要求に、いずれも過去最高水準で応じると労働組合側に回答した。賃上げは、賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給分を含む総額で月2万1500円。2万円の要求への満額回答に加え、従業員の能力向上に関わる支援分をベアに上乗せした。3月の集中回答日を待たない早期決着は2年連続。物価高が続く中、大手メーカーが相場形成の先陣を切ったことで、自動車業界の中小企業への波及が期待される。

 マツダも21日、総額で月額1万6千円の賃上げ要求に満額で回答した。賃上げ額は過去最高で、ボーナスも満額回答。マツダの早期回答は約20年ぶり。

 ホンダの賃上げは確認できる1989年以降で最高額。賃上げ率は5.6%で、90年(6.2%)以来の水準となる。要求を上回る1500円は、過去の交渉で決まった自己研さんへの投資分を初めてベアに適用した。労組は取材に「変革に取り組む『人の力』を引き出すものだ」と評価した。

マツダのロゴマーク=2020年、広島市

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