新カテゴリー“LMGT3”に参加する9車種の最低重量が決定。LMP2のル・マン仕様も明らかに

 FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブは、2月16日付でWEC世界耐久選手権の2024年シーズン開幕戦『カタール1812km』で適用されるLMGT3・BoPを発表した。

 昨年限りで歴史にピリオドが打たれたLM-GTEに代わり、この2024年からWECの新しいGTカテゴリーとして創設されたLMGT3。同カテゴリーも先代のGTクラスや現トップカテゴリーのハイパーカークラスと同様に、車両間の競争力を公平化するための性能調整、いわゆるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)が採用される。

 LMGT3のBoPでは各車両の最低重量をはじめ、エンジン最大出力、最低地上高、リヤウイングの最小アングルと最大アングル(角度)、そして1スティントあたりの最大エネルギー量が定められている。

 この中で車両最低重量に目を向けると、マンタイ・レーシングが走らせるポルシェ911 GT3 Rが1315kgで9車種中もっとも軽いことが分かる。一方、最重量ははアコーディスASPチームが運営するレクサスRC F GT3の1345kg。これに次ぐ1332kgのランボルギーニ・ウラカンGT3エボとは13kgの差がある。

 シボレー・コルベットZ06 GT3.Rとフェラーリ296 GT3は1331kgで並び、1327kgのマクラーレン720S GT3エボと1kg差のフォード・マスタングGT3がこれに続く。BMWはコルベットとフェラーリより10kg軽く、アストンマーティンの新型バンテージAMR GT3はポルシェと3kg差の1318kgでシーズンのオープニングを迎える予定だ。

 なおLMGT3クラスでは、LM-GTEアマクラスで導入されていたサクセスバラスト・システムを継承しており、第2戦以降は当該大会の直前2レースの結果とチャンピオンシップの成績に応じたウエイトを号車ごとに搭載することになる。これは同じ車種でも最低重量が異なる可能性があることを意味する。

LMP2クラスはWECでは2023年限りで廃止となったが、ル・マンに限っては出場可能となる。また、ELMSやAsLMS、IMSAでは引き続き参戦可能だ。

■LMP2の最低重量は950kg

 FIAの耐久委員会は別の文書で、ル・マン24時間レースで単発的に選手権に復帰するLMP2クラスの仕様に変更がないことを確認した。

 マシンの最低重量は950kgが維持され、ギブソン製V8自然吸気エンジンにはφ35mmのエアリストリクターが装着される。レブリミットは1~5速で8000rpm、6速では8500rpmとなる。

 既報のとおり2024年のル・マン24時間には計16台のLMP2カーが出場する予定となっており、リザーブリストに載る3台を含め全チームが“オレカ07・ギブソン”のパッケージを選択している。

■LMGT3車両別最低重量(2月16日付)

Maschine Min. Weight

アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3 1318kg

BMW M4 LMGT3 1321kg

シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R 1331kg

フェラーリ296 LMGT3 1331kg

フォード・マスタングLMGT3 1326kg

ランボルギーニ・ウラカンLMGT3エボ 1332kg

レクサスRC F LMGT3 1345kg

マクラーレン720S LMGT3エボ 1327kg

ポルシェ911 GT3 R LMGT3 1315kg

LMGT3クラスのWEC開幕戦カタール用BoPテーブル

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