石巻の追悼サイレン、低音に変更 「津波警報思い出す」遺族に配慮

地震発生時刻に合わせ、宮城県石巻市の大川小で手を合わせる人たち=昨年3月11日

 宮城県石巻市は21日、東日本大震災が発生した3月11日午後2時46分に鳴らす追悼のサイレンについて、今年は例年よりも低い音に変更すると明らかにした。遺族の中には「あの日の津波警報を思い出してつらい」との思いを抱く人もおり、心情に配慮した。

 津波により子どもを亡くした市内の複数の女性らが2022年夏、変更を求めていた。今年は震災時の警報とは違う音にし、例年同様、市全域の防災行政無線から1分間鳴らすことにした。

 市震災伝承推進室の担当者は「多くの犠牲が出た被災地として、市民全員で哀悼を表す必要もある」とサイレンの意義を強調する。来年以降については市民の反応を見ながら、さらに検討する。

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