【後編】紫苑さんの住まいとお金のストーリー。「古い家だからこそ、リメイクもためらわずにできます」

たまにはプチプラの和服を着て節約生活に華やぎを。出かける際も着物を愛用。

今の自分、これからの自分にぴったりくる住まいを見つけた人たちの実例集『大人のひとり暮らし 住まいとお金』から、人気ブロガー 紫苑さんの話を2回にわたりお届けします。前回は、年金月5万円のみで生活するにいたった経緯をご紹介しました。後編は、快適な住まいを保つ工夫について伺いました。

★前回はこちら★

PROFILE
紫苑(しおん)
1951年生まれ。地方新聞社勤務を経て、フリーライターとして30年以上活動。2020年3月、月5万円の年金受給とともに、節約生活の様子を綴ったブログを開始。おいしく健康にいい月1万円レシピや、リメイクおしゃれ、百均DIYなど、お金を使わなくても楽しめる工夫の数々を紹介している。著書に『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)、『72歳ひとり暮らし、「年金月5万」が教えてくれたお金との向き合いかた40 』(マガジンハウス)
https://blog.goo.ne.jp/sionnann

紫苑さんの住まい遍歴

20歳~
上京。都内の公団(現在のUR)へ引っ越し。

22歳~
会社勤務のため東京23区内の公団へ引っ越し。間取りは1DK

30歳~
結婚。子どもが生まれたことを機に東京23区内の広め(65㎡/3DK)の公団へ引っ越し。40歳のときに離婚。

45歳~
思春期を迎えた2人の子どもに、それぞれの個室を用意するため、東京23区内の(75㎡ /4LDK)の公団へ引っ越し。

57歳~
長男が就職し、自立したことを機に同区内のURへ引っ越し。広さは64㎡。以前より狭く、古い物件だったので、家賃は減。

64歳~
年金(月換算)5万円生活を見すえ、月々の住居費がかからないよう、東京23区内に中古の一軒家を購入し、引っ越し。

【現在の住まいのDATA】
住居形態:持ち家/中古一軒家
築年数:約50 年
間取りと広さ:2LDK(60㎡)
住宅ローンはなし

Q 現在の住まいに暮らしてみて、「ここがよかった」というところを教えてください。

——家のすぐ近くに公園や河原があり、気分転換をしにパッと出られること。

公団で暮らしているときは、エレベーターや階段で顔見知りに会うかもしれない……と思うと、気軽には出かけられず、「外出」がおっくうになることがしょっちゅうでしたが、戸建てのほうがその点は気楽。服装も髪型も気にすることなく一日に何度も外に出て、気分を切り替えています。

Q 部屋づくりのポイントを教えてください。

2階の寝室の一角。背の高い本棚は横に倒し、圧迫感を軽減。そこに別の家具の引き出しやかごを組み合わせて、着物の帯や小物の収納棚に。

——子どもが落書きをするように、家じゅうプチプラリメイクをして自由に楽しんでいます。

最初は「屋根があればいいや」くらいの気持ちでしたが、古布や100 円ショップの材料などを使って、自分仕様に整えていくうちに愛着が出てきました。私が死んだあとには壊すしかない古い家ですが、だからこそリメイクもためらわずにできるという利点が。

Q 快適に暮らすために、心がけていることはありますか。

——狭いので、出しっぱなしにすると動くのに邪魔だし、危ないからすぐに片づけるようになりました。

あと、一軒家は窓が多く、すぐにホコリがたまるので、運動を兼ね、できるだけ拭き掃除をするようにしています。

窓にかけたパッチワークのカーテンはブルー系の服のハギレや布巾をつなぎ合わせたお手製。「あるもので工夫するのが楽しいんです」

Q 住まいにかかるお金で、予想外にかかるものや、わりきっているものはありますか。

——一昨年は節約のため、冬でもエアコンをあまり使わず過ごしていたら、あまりの寒さに手がレイノー症候群になってしまいました。そこで昨年から今年にかけては、エアコンを19℃設定にして使っています。健康第一、ストイックになりすぎるのはダメですね。

※この記事は『大人のひとり暮らし 住まいとお金』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。


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