韓国、研修医ストで医療に支障 政府「主導者逮捕も」

Ju-min Park

[ソウル 21日 ロイター] - 韓国で、政府の医学部の増員計画に抗議するストライキが拡大。主要病院で治療に深刻な影響が出ている。政府は21日、ストを主導する指導部を逮捕する可能性を示唆した。

保健省によると、今週始まったストでこれまでに計7813人の医師が政府命令に反して職場を離れた。保健福祉省の朴敏守次官は会見で、患者を優先するようスト参加者に訴え、「医療従事者の基本的な使命は人々の健康と生命を守ることであり、それを脅かすような行動は正当化できない」などと述べていた。

ソウルのある病院は救急治療室では心停止の患者のみ対応するとの張り紙を掲げた。政府によると、他の4つの病院でも救急治療室の病床が不足している。

イ・サンミン行政安全相はストを主導する指導部を逮捕する可能性があると表明。「警察と検察が協議し、集団行動を主導している団体・個人に対し逮捕や捜査を含めた措置を講じる」と述べた。

政府は、地方の医療を強化し、急速な高齢化を受けて増加する医療需要に対応するため、医学部の定員(現在3000人)を2025年度から5000人に増やし、35年度までにさらに1万人増やす計画だ。

一方、ストに参加している医師や研修医は、国内の医師数は十分だと主張。当局は学生を増員する前に、特に小児科や救急医療といった厳しい分野の専門医の給与や労働条件をまず改善するべきとしている。

先週発表された韓国ギャラップの世論調査によると国民の約76%が医学部増員を支持している。

© ロイター