中国湖南省の鶴竜湖鎮、燻製食品で町おこし

中国湖南省の鶴竜湖鎮、燻製食品で町おこし

湖南省岳陽市湘陰県の鶴竜湖鎮の燻製(くんせい)食品店で、塩漬けしてから乾燥させた魚「臘魚(ラーユー)」を燻製する楊雄(よう・ゆう)さん。(2月2日撮影、岳陽=新華社記者/陳思汗)

 【新華社長沙2月21日】中国湖南省岳陽市湘陰県の鶴竜湖鎮はここ数年、肉や魚を燻製(くんせい)した食品「臘味(ラーウェイ)」を特産品にし、地元の収入増を図る取り組みを進めている。

 長江の支流、湘江と洞庭湖の合流地点にある同県は水産物の養殖が盛んで、養殖面積は26万1200ムー(約1万7413ヘクタール)。中でも同鎮は1万ムー(約667ヘクタール)を占め、省級の「特色農業小鎮」に選ばれている。鎮党委員会の陳麗(ちん・れい)書記によると、地元ではもともと塩漬けしてから乾燥させた魚「臘魚(ラーユー)」を作る習慣があった。鎮を挙げて臘味作りを推し進め、「春は魚、夏はエビ、秋はカニ、冬は臘味」を特産品として販売している。

中国湖南省の鶴竜湖鎮、燻製食品で町おこし

湖南省岳陽市湘陰県の鶴竜湖鎮にある燻製食品店で、塩漬けしてから乾燥させた魚「臘魚(ラーユー)」を並べる店員。(2月2日撮影、岳陽=新華社記者/陳思汗)

 地元でレストランや燻製品店を経営する楊雄(よう・ゆう)さんは、長年のレストラン経営で蓄積した顧客資源を活用し、真空包装した臘魚を販売。「昨年の売上高は600万元(1元=約21円)。大きな利益が出た」と話した。春節(旧正月)の8連休に入ると、売り上げは連日2万元超えを達成。「連休が終わりに近づくと、帰省していた人たちが故郷の味を持ち帰ろうとまとめ買いしていく」とうれしい悲鳴を上げた。

 同鎮は「臘味経済」を盛り上げようと、郵便事業を手がける中国郵政集団や宅配大手の順豊速運(SFエクスプレス)、ネット通販の京東(JDドットコム)などの企業と提携し、販売店に円滑な物流サービスを提供。同じく鎮内で燻製品店を営む譚旺旺(たん・おうおう)さんは昨年、臘味の売上高が200万元を超え、今年の春節期間には約10万元分の注文が入ったと話した。

 鎮全体の臘味の売上高は直近1カ月で1億元に達した。陳氏は「『臘味経済』はますます活況を呈している。鎮内で臘味を取り扱う店は千店近くに上り、4千人近い雇用を創出、昨年の臘味加工量は2250トンに上った。今年も国内外の各地に販路を広げたい」と語った。(記者/周楠)

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