大王製紙の物流子会社「ダイオーロジスティクス」が下請け業者に対し、自社のサービスを利用するよう圧力をかけていたとして、公正取引委員会は21日、改善策を講じるよう勧告しました。
勧告を受けたのは、愛媛県四国中央市に本社を置き、大王製紙が100%出資する物流子会社「ダイオーロジスティクス」です。
公正取引委員会によりますと、ダイオーロジスティクスは2021年1月から2022年の8月にかけて、下請け業者2社が他の業者から請け負った運送業務をダイオーロジスティクスに再委託させ、6995万円を受け取ったということです。
ダイオーロジスティクスは売り上げ拡大を目指していて、大王製紙グループ以外の運送業務を開拓しようと、下請け業者に対し自社のサービスを利用するよう圧力をかけていたということです。
なお、下請け業者2社から受け取った6995万円のうち、利益に当たる額は、下請け業者に返還しているということです。
(公正取引委員会の担当者)
「親事業者は下請け事業者に対して取引上、優越的な立場にありますので、本件ではダイオーロジスティクスが親事業者の立場を利用した要請を行い、下請け事業者が今後の下請け取引への悪影響を恐れ、要請を受け入れざるを得ない状況に置かれていたということが、本件の問題の本質」
公正取引委員会は下請け法に違反する行為だとして、21日、ダイオーロジスティクスに対し、再発防止のための社内体制を整備するなど改善策を講じるよう勧告しました。
公正取引委員会が下請け業者に役務の利用を強制したとして違反を認定するのは、今回が初めてだということです。
一方、ダイオーロジスティクスは「勧告を真摯に受け止め、内容を周知徹底するとともに、社内研修を行うなど社内体制の再整備を図り、今後再発することのないようコンプライアンスの更なる強化に努めます」とコメントしています。
