期待値低かった山東泰山、川崎Fに勝利で中国メディア大興奮 「思わず涙」「中国サッカーの起爆剤に」

サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦の第2戦が2024年2月20日、神奈川県等々力陸上競技場で行われ、川崎フロンターレが山東泰山(中国)に2-4で敗れた。川崎フロンターレは2戦合計で5-6と逆転され16強で敗退。劇的な勝利を飾った山東泰山はベスト8進出を決めた。

「これほどエキサイティングな試合は何年ぶりか」

第1戦のアウェー戦を3-2で制した川崎フロンターレはホームでの第2戦は立ち上がりから苦戦を強いられた。前半8分に先制されると同25分に追加点を許した。同30分に1点を返し前半を1-2で折り返すと、一度は同点に追いつくも後半28分に3点目、終了間際に4点目を入れられ2戦合計で逆転された。

アウェーでJ1の川崎フロンターレを下しベスト8にコマを進めた山東泰山。複数の中国メディアが試合結果を速報し、山東泰山の「快挙」を大々的に報じた。

「新浪体育」(WEB版)は、「試合前は何の期待もしていなかったが試合が終わると涙を流した」などのタイトルで記事を公開。同メディアはサッカー解説者・李玄氏がSNSに投稿したコメントを紹介する形で記事を展開した。

記事によると、李氏は中国版X(旧ツイッター)の微博(ウェイボー、Weibo)に「試合前は多くの人がこの試合に何の期待もしていなかった。本当に興奮した。勝利の瞬間、叫んで応援しながら思わず涙してしまいました。中国サッカーでこれほどエキサイティングな試合があったのは何年ぶりでしょうか?」と投稿したという。

「アジアカップでは前代未聞の不振」

「騰訊体育」(WEB版)は、1月に開催されたAFCアジアカップでの中国代表の惨状を引き合いに出して記事を展開した。中国はAFCアジアカップの1次リーグA組で1敗2分けの3位で決勝トーナメント進出を逃した。初戦のタジキスタン戦、第2戦のレバノン戦はいずれも0-0で引き分け、第3戦のカタール戦を0-1で落とした。大会を通じてノーゴール、未勝利に終わった。

「騰訊体育」の記事では「アジアカップでの代表チームの前代未聞の不振で中国サッカーが再び低迷している今、山東泰山の勝利は間違いなく中国サッカーに一石を投じ、中国サッカー全体の士気を高めた」と大絶賛。さらに「山東泰山の大逆転は今後の中国サッカーにとって間違いなく起爆剤となるだろう」と伝えた。

「捜狐」(WEB版)は「波乱、山東泰山がアジアトップレベルのチームに勝利した」などのタイトルで記事を公開。記事では「山東泰山の選手の最後の瞬間まで諦めない精神は土壇場で我々に驚きを与えた。この勝利により低迷期にあった中国スーパーリーグチームの強さをアジア全体に知らしめた」と称賛した。

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