【高校受験2024】千葉県公立高校入試<社会>講評…基本を重視、難易度も例年通り

【高校受験2024】千葉県公立高校入試<社会>講評

2024年度(令和6年度)2月20日(火)と2月21日(水)に、千葉県公立高等学校入学者選抜が実施された。千葉県教育委員会が2024年2月16日(金)に発表した一般入学者選抜等の確定志願状況(全日制)によると、募集人員3万680人に対し3万4,478人が志願し、志願倍率は1.12倍だった。

リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査「社会」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<社会>講評

(京葉学院 提供)

大問が8つという、例年通りの構成で、地理、歴史、公民のあらゆる単元からまんべんなく出題されました。教科書に書かれている基本的なことがらを、きちんと学んできたかが問われる内容でした。難易度も例年通りであったかと思われます。

差がつきやすいのが、「記述」の問題(12点)、地理・公民の「資料読み取り」の問題(9点)、歴史の「年代整序」の問題(9点)です。こうした問題への対策の成否が、高い点数を得るための鍵となりました。

1.総合問題

「千葉県の海岸」を題材とした、3分野の融合問題です。

(2)の資料読み取りの問題は、適当なものを「すべて選ぶ」ものだったため難しかったかもしれませんが、それぞれの選択肢を慎重に検討していけば正答することができるものでした。

(3)の年代整序の問題では、時期が近い1989年のマルタ会談と1991年の湾岸戦争が出題され、迷った受験生もいたのではないでしょうか。

2.日本地理

日本全図にもとづいて出題されたのは例年通りです。もちろん県名と県庁所在地名が異なる都市に関する問題や、地形図の読み取りも出題されました。

(2)は、人口や製造品出荷額・農業産出額などから、宮城県・神奈川県・愛知県・熊本県を判別する問題でした。統計資料の主な項目について、上位の都道府県は覚えておく必要があります。

地形図の読み取りの(4)〇1も、大問1(2)と同じく、内容が正しいものを「すべて選ぶ」問題でしたが、その内容自体は基本的なものでした。

3.世界地理

例年通り、世界全図にもとづいて出題されました。

(1)のような、緯線・経線が直角に交わる地図と、中心からの距離と方位が正しい地図の比較の問題や、(2)のような、雨温図から世界の都市を判別する問題は頻出です。

4.前近代史

「歴史上の人物が詠んだ和歌」に関連した問いが出題されました。

(3)は戊辰戦争と同じ19世紀の世界のできごとを問うものでした。このような、ある日本のできごとと同じ時期におこった世界のできごと(またはその逆)を答える問題はよく出題されています。

5.近・現代史

「経済の混乱と人々の姿」を題材に出題されました。

(4)の年代整序は、1972年の沖縄返還、1950年の朝鮮戦争のはじまり、1964年の東京オリンピックの並べ替えでした。戦後の年代整序問題では、1950年代、60年代、70年代というように10年ごとにおこったできごとが出題される形式がよく見られます。

6.国民生活と経済・社会

近年の日本の経済情勢が題材となりました。

(3)は日本の経済成長率の変化のグラフを、日本経済にかかわるできごとについての年表を参考に、年代ごとに並び替えるものでした。あまり見ない出題形式で、戸惑った受験生もいたかと思われますが、それぞれのできごとが、経済成長にプラスになるかマイナスになるかを考えて、グラフの変化と照らし合わせていけば、正答することができるものでした。

7.日本の政治制度

刑事裁判を題材として出題されました。

(1)(2)では、裁判にかかわる人びとの正確な名称が問われていました。

8.国際社会

「G7サミット」を題材として出題されました。

(1)は、国家の領域についての正確な知識を問う問題でした。


このレポートは2024年2月21日(水)に速報として京葉学院により作成されたもの。
協力:京葉学院

編集部

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