【鳥獣害対策】暗視カメラ搭載のドローンを活用…野生動物の行動範囲を調べる実証実験(静岡・伊東市)

先週、静岡・伊東市で鳥獣害対策に活用しようと暗闇でも撮影できるカメラを搭載したドローンを使いシカやイノシシの行動範囲を調べる実証実験が行われました。そこで映し出された動物の姿とは?

これは、県が取り組む「ドローンを活用した鳥獣害対策」をテーマとした実証実験の一環で行われ列車と動物の衝突事故に悩む伊豆急行や伊東市などが中心となって実施されました。

伊豆急行では、2022年度、列車の運転手から動物の目撃情報は351件、さらに衝突事故は23件と野生動物の対策は安全運行のためにも急務となっています。

この日の実験は、動物が活発に動く夕方から夜にかけて行われました。あたり一面が真っ暗となり、人間の目では、この中から動物を見つけることはできませんが、そこで活躍するのがこちらのドローン。暗闇でも撮影できるナイトビジョンカメラを搭載していて、動物の体温を感知すると赤く映り、生息場所や行動範囲が把握でき効率的な対策につながると期待されています。さっそく、線路沿いにドローンを飛ばし送られてくる映像を確認します。すると!

「イノシシだ!すごい」「けっこういる、4頭いる?」

ドローンが撮影した映像にはイノシシとみられる動物の姿が!

別の日に、下田市内で行われた実証実験の映像ですが、そこには、驚くほど多くの動物の姿が!軽やかにジャンプする姿からシカの群れのようです。

(伊豆急ホールディングス 川口 良 さん)

「伊豆急行線は風光明媚な伊豆半島の東海岸を走る鉄道会社、この自然環境との共存、共栄を目指している。動物と鉄道事業者の境界を、最先端技術で明確に分けられれば、動物にとっても我々にとっても、幸せな社会になると思って取り組んでいる」

伊豆急行では今回の観測結果をデータ化して動物の線路内への進入を防ぐ防護柵の設置などに活用する予定です。

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