「トレーニングをフルオープンにして5位で満足する方がたくさんいるなら…」山形の渡邉晋監督が非公開練習にこだわる理由

モンテディオ山形が実施したオンライン会見に渡邉晋監督が対応。今季は2次キャンプ以降、非公開練習が多いことを受け、「オープン、クローズの基準」を訊かれた指揮官は独自の見解を述べた。

「セットプレーのトレーニングをするときはクローズにさせてもらっています。そこで昨年は悔しい失点もしていますし、一方でセットプレーからもっと点を取りたいですし、我々のセットプレーの基盤を作りたい狙いがあります。また、トレーニングマッチで仕込んでいるものもあるので、オープンにできませんでした。申し訳ないです」

オンライン会見当日(2月21日)に「急きょ、(オープンは)冒頭だけにさせてもらった」ことについても、もちろん理由がある。

「関東でキャンプをしていると、公開練習に一般のサポーターの方たちだけじゃなく、いろんなチームの人も見れるんですよ、自由に。シーズン開幕の数日前に果たしてそれは得策なのかとなった時、チームの勝利を考えるとクローズにしたほうがいいと。これは僕個人の決断で、急きょ変えさせてもらいました。なので、全ては勝利のためです」

今季の目標はJ2優勝と明言しているからこその、並々ならぬ決意にも映る。

「トレーニングをフルオープンにして5位で満足する方がたくさんいるならそうします。トレーニングを全てクローズして優勝することに満足してくれる方がたくさんいるならそうします。おそらくモンテディオのサポーターの方々が望んでいるのは後者だと思います。

もちろん全てをオープンにして優勝できればそれに越したことはありませんが、今は分析の力やスピードがものすごく上がっている中で手の内を易々とさらけ出すのは違うかなと。

(山形の)天童に帰れば毎週、毎週、たくさんの方に来ていただいて、そこからエネルギーをもらっているのは間違いありません。オープンにして5位でいいですよという方がたくさんいらっしゃるなら教えてください。そうします。でも、隠せるものがあって、それが勝利に、優勝に繋がるのであれば、本当に申し訳ないんですけど、クローズにさせてください。それが僕の考えなので。100パーセント理解していただけるとは思いませんが、理解してもらえたら嬉しいです」

非公開練習にこだわる理由をこう述べてくれた渡邉監督。指揮官の今季に賭ける意気込みは半端ない。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

© 日本スポーツ企画出版社