自民裏金、予算委で政府と野党が火花 林長官「答えられない」、立民「なら責任者を」 政府・与党にもすき間風

国会議事堂(資料写真)

 衆院予算委員会は21日、岸田文雄首相以外の閣僚が出席する一般質疑を行った。自民党の裏金事件を巡り、林芳正官房長官らは「政府としてお答えできる立場にない」との答弁に終始し、立憲民主党の後藤祐一氏(神奈川16区)は「それなら責任者が出てくるべきだ」と怒りあらわ。政治倫理審査会の自民による出席者確認も難航し、2024年度予算案の年度内成立も際どい状況だ。

 この日の審議では、「事前に党側に確認を」との後藤氏の通告に対し、林長官は「政府として確認する立場にはない」と突っぱねるなど、「塩答弁」(野党幹部)を繰り返した。

 後藤氏は「だから間接話法は成り立たない。政倫審が必要だ」と逆手にとり、原則は非公開の政倫審について「当然公開でやる。それが嫌ならここ(予算委)へ対象者を呼んで聞く」などとたたみかけた。

 与党内には「盛山(正仁)文部科学相の不信任決議案否決ではさんざん党に冷や汗をかかせておきながら、裏金の件は知らん顔」(自民幹部)と林長官への不満が増幅。官邸と与党の間にすき間風が吹いている。

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