伊藤忠、ビッグモーター買収へ 会社分割、創業家関与せず

中古車販売大手ビッグモーターの店舗=2023年7月

 伊藤忠商事が、自動車保険の保険金不正請求問題で業績が悪化している中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)の事業を買収する方針を固めたことが21日、分かった。BMを分割して中古車販売事業を引き継ぎ、創業家は経営に関与しない形を取る方針だ。

 伊藤忠はニッポンレンタカーサービスを傘下に持つ東京センチュリーの筆頭株主であるほか、高級輸入車販売のヤナセ(東京)を抱えるなど自動車事業のノウハウを持つ。BMの再建支援を通じ、同事業の強化につなげたい考えだ。

 保険金不正請求を巡り、BMは金融庁から保険代理店登録を取り消された。伊藤忠は同社子会社である来店型保険ショップ「ほけんの窓口グループ」(東京)と連携させることで、グループの利益拡大につながるとみている。

 BMは保険金不正請求が発覚後、中古車の販売が激減し、財務内容が悪化。伊藤忠と同社子会社、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズの計3社は昨年11月、BMの支援に向けた独占交渉権を得て、資産査定などを進めていた。

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