「コストコが来るのでは?」うわさされた土地 東京ドーム10個分 日本平久能山スマートIC周辺にエンタメパークなど誘致へ=静岡市

静岡市議会で2月21日に上程された2024年度の当初予算案には、静岡市駿河区の「日本平久能山スマートインター」周辺の大規模開発に向けた費用が盛り込まれています。以前「コストコが来るのでは?」などと、うわさされていた広大な土地ですが、一体何ができるのでしょうか。

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静岡市議会では2月21日、物価高騰対策など約90億円の2月補正予算案が可決されました。続いて、2024年度の当初予算案などが上程され、難波市長が施政方針を示しました。

<静岡市 難波喬司市長>
「令和6年(2024年)度の市政運営においては『政策執行力』を飛躍的に向上させ、貴重な予算を有効活用してまいる所存です」

2024年度の当初予算案は、一般会計で3534億6000万円と過去最大の規模で、放課後児童クラブの整備や運営事業に20億9330万円、JR東静岡駅北口のアリーナ構想関連費に6000万円などが盛り込まれています。

難波市長が目指すのは「新たなまちづくり」です。

<植田麻瑚記者>
「日本平久能山スマートインター近くに来ています。静岡市は南側の広大な土地に、新たな施設を誘致する計画で、大規模な予算を計上しました」

静岡市は、東名高速道南側のスマートインター周辺の47ヘクタール(東京ドーム10個分)に及ぶ広大な土地を利用し、2024年度予算に5億9300万円を計上。以前「コストコが来るのでは?」などと、うわさされていた広大な土地に誘致を計画しているのは、エンタメパークやスポーツクラブです。

<静岡市 難波喬司市長>
「あれだけの面積で、面的なまちづくりができるのは、おそらくこれが最後のチャンスだと思いますから」

難波市長が「最後のチャンス」とうたう肝いりの事業。山間部が多く平地の限られる静岡市で大規模開発ができるこの土地は、大きな可能性を秘めた「重要な地区」と位置づけられています。

<静岡市大谷・小鹿まちづくり推進課 宮崎毅係長>
「農と食、スポーツ、エンターテインメント、静岡らしさをテーマにした施設を誘致して、広域から人に来てもらうようなエリアにしていきたいと考えています」

正式な決定はまだですが、地区全体を4つのエリアに分け、eスポーツ会場などのエンタメパークやスポーツ施設などを整備する方針です。

ここは耕作放棄地の多い土地ですが、今後も農業を続けたいと考えている農家は当初、複雑な心境だったと振り返ります。

<いちご園三軒屋 佐藤孝志代表>
「ここで20年くらい、いちごの栽培を行っているんですけど、思い切りここのエリアに重なって来るので、土地が減ったり心配だったんですけど。集約して別のところでまとまってやるということは悪いことではないと思います」

市は、地権者らと長年協議を続け、農業を続ける意向の人は、川をまたいだ西側に集約することで合意。新たに農業レストランを設置したい考えです。

難波市長が「最後のチャンス」とうたった今回のプロジェクト。静岡市は2024年度から工事を始め、2036年度までに、全ての区画の整備を終える方針です。

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