藤沢市、最大クラスの津波を想定した避難施設整備へ 対象区域の全住民が避難できる広さを確保 

最大クラスの津波想定した津波避難施設のイメージ(藤沢市提供)

 神奈川県藤沢市は2024年度、最大クラスの津波を想定した津波避難施設の整備に着手する。周辺に避難施設がなく、短時間での避難が困難な同市片瀬海岸3丁目の区域が対象で、市が民有地を取得して初めて独自で建設する。同年度当初予算案に関連事業費約2億3300万円を計上した。

 実施設計(概要)によると、施設は鉄骨造2階建てで、延べ床面積約717平方メートル。最上階の避難床は高さ約7.05メートルで、避難面積は約440平方メートルと、対象区域の全住民約730人が避難できる広さを確保した。住宅地から屋上階避難床までの避難完了時間は最大6分30秒を見込む。

 蓄光材を設け停電時にも避難可能な階段とスロープを併設し、ユニバーサルデザインに準拠した勾配とするなど車いす利用者ら多様な避難者に対応。非常照明設備も設置し、停電後30分間は蓄電池による照明点灯が可能となる。

 中間層には倉庫を整備。災害時に必要な備蓄資材を保管するほか、多機能トイレ1カ所や組み立て式トイレ設置スペース8カ所を確保する。周辺の住宅環境に配慮し、外観は暖色系を基調とした色を採用。監視カメラを設置し、防犯対策を講じる。 

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