「韓国代表監督に興味がある」欧州のレジェンドたちが続々と後任候補に挙がるも地元メディアやファンは「災難が起こる」「時代遅れだ」と冷ややか

はたしてドイツ人指揮官の後任は誰に決まるのか。目下、韓国サッカー界はその話題で持ち切りだ。

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現地2月16日、大韓サッカー協会(KFA)は韓国代表を率いるユルゲン・クリンスマン監督を解任したと発表。在任中の11か月間は再三に渡ってその言動で物議を醸し、アジアカップ2023ではなんとかベスト4進出を成し遂げたものの、采配やパフォーマンスへの非難は止まなかった。

KFAは現在、新たなメンバーによる戦力技術員会を発足させて代表監督の後任人事に全精力を傾けている。ソン・フンミンとイ・ガンインの間で起こった“卓球騒動”など代表チーム内に根づく選手間の不和を解消させるのも、新指揮官の重要なタスクだ。そのため、Kリーグクラブを指揮する国内の指導者が有力候補に挙がっている。

蔚山現代のホン・ミョンボ監督、U-22韓国代表のファン・ソンホン監督、そして現在はフリーだがFCソウルなどを率いたチェ・ヨンス氏。いずれもかつて日本代表チームの前に立ちはだかったレジェンドたちで、Jリーグでプレーした経験を持つ、日本のファンにもお馴染みの顔だ。ほかにもFCソウルのキム・ギドン監督や、アジアカップでインドネシア代表を率いたシン・テヨン監督らの名前が取り沙汰されている。

そんななか、欧州からも“逆オファー”のニュースが舞い込んできた。ふたりのレジェンドが「韓国代表監督のポストに興味がある」と発言したという。

ひとりは現役時代にマンチェスター・ユナイテッドの黄金期を支えたCBのスティーブ・ブルース氏。引退後は指導者に転身し、ニューカッスルやバーミンガム、ダービーなどで監督を務め、プレミアリーグの中堅クラブを渡り歩いた。英紙『Mirror』は「サウジアラビアからのオファーも届いているようで、アジアでの再起に強い関心を抱いている」と報じた。

もうひとりは、元オランダ代表MFのフィリップ・コクー氏だ。PSVとバルセロナで一時代を築き、非凡な戦術眼を駆使してGK以外はどこでもこなすスーパーマルチぶりを発揮した。指導者としてはPSV、フェネルバフチェ、ダービーなどを指揮。こちらも現在はフリーの身で、韓国メディア『Footballist』によると「KFA関係者に代理人を通じて興味を伝えてきた」という。韓国代表の歴代監督にはオランダ出身者が多い。コクー氏の恩師であるフース・ヒディンス氏を皮切りに、過去5人が歴任。KFAとオランダ・サッカー界のパイプも根強いとされる。

しかしながらどちらも代表監督を務めた経験はなく、指導者として成功を収めたとは言い難い。韓国のコミュニティサイトではブルース氏が過去に選手たちとトラブルを頻発させていた事実を持ち出し、「きっと災難が起こる」「統率力が疑問だ」「傍若無人なイメージしかない」と否定的な声が多く、コクー氏に対しても「オランダ人だからか?」「だったら国内の監督でいい」など支持するコメントはあまり見られない。

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韓国全国紙『京郷新聞』の論説も冷ややかだ。

「両名ともに選手としての実績は申し分ないが、監督としては成功しなかった。ネット上のファンの反応がシラけているのも当然である。KFAはクリンスマン監督の起用に見られるように、指導者としての実力よりもネームバリューを重視してきた。ファンはもはや実際に代表チームを強化できる韓国人監督がより良い人選だと考えている。今回噂に挙がった両名は現代サッカーの潮流から考えると、時代遅れと言わざるを得ない」

そのうえで同紙は「次期代表監督の選考には、現代サッカーに適した深い戦略性とリーダーシップが求められるだろう。KFAが監督人事を成功させるためには、こうした国民からの意見や批判を真摯に受け止めながら、慎重に人選を進める必要がある」と論じた。

3月下旬にはワールドカップ・アジア2次予選が開催され、韓国代表はタイとの2連戦に臨む。自国監督といっても、Kリーグ開幕は目前でそう簡単に交渉が進むとも考えられない。アジア・チャンピオンズリーグのゲームで来日していた蔚山のホン・ミョンボ監督は「何も知らない。だから話せない。これが今の私の立場だ」と話すにとどめた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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